ガンプラで有名なバンダイですが、当然のことながら、ガンプラ以外のプラモデル製品も色々作っています。
かつて任天堂がゲーム市場の縮小を懸念してライト層向けの商品を多数リリースしていたように、バンダイも、ライト層向けのエントリーモデルを多数出しています。
そういった初心者向けのシリーズのひとつが、この30 Minutes Missions(30MM)。ガンプラやエントリーグレードのようにアニメや漫画、ゲームなどの原作が存在するわけではない、バンダイの完全オリジナルなモデルです。
30MMは、「夢中になれる30分」をテーマとしたプラモシリーズで、その名の通り、おおよそ30分でだいたい完成する*1というお手軽さがウリです。
鉄道模型の常識に凝り固まってる人間からすると、
- 塗装不要。それも塗装済み組み立てモデルではなく、成型色の時点で完成後の色を表現しているので、塗装変更にIPAドボンが不要。
- 接着剤不要。パチっとハメ込むだけで固定される。むしろ、仮組のつもりで適当にランナー切って組むと外せなくなって往生するので注意。
この2点は、大変驚くべきところです。あと値段も、鉄道模型と比べてはるかに安価で、二軸貨車1両~鉄道省標準型客車ぐらいの値段で1体買えてしまいます。お財布に優しい。
先に述べたように、30MMのロボットたちは、完全にオリジナルです。
一応、「地球連合軍、バイロン軍、マクシオン軍にそれぞれ所属する、量産型の戦闘用巨大ロボット」という設定があり、また、設定上も模型としても、なぜか全ての機体のパーツに一定の互換性があり、異なる機種同士の組み換えもできるようになっています。
ガンダムでいえばザクとかジムとかに相当する機体なので、とにかく沢山組んで沢山並べても楽しいんでしょうけど、多くの人は、複数の機体のパーツを組み合わせて、独自のロボットを創り上げることに精力を傾けているようです。
プラモというよりは、レゴブロックのような感覚で簡単に組み換えができる上に、レゴでは禁じ手の、部品の塗装・加工も普通に許容されているので、そういう意味では、レゴより自由度が高いかもしれません。
公式に企画されているイベントへの出品が不可になりますが、工夫次第で、ガンプラや他社モデルとの組み合わせ(ミキシング)も不可能ではありません。
さて、そんな30MMですが、今年3月だか4月だかに新しい派生シリーズが発表されました。
30 Minutes Sisters(30MS)。30MMと同じコンセプトの美少女プラモです。30MMと同じ規格が使われており、既存の30MMの部品も使える……らしい。
私、ロボ娘とかも案外イケるクチなんですが、ロボ娘って、「ロボ度」をどうするかという問題があるんですね。この辺りの事情は、ケモナー界隈とよく似ていて、一言で「ロボ娘」って言っても、「ほぼ人じゃん」って所から無機質な「ほぼモノ」な所までのグラデーションの中のどこなのかによって、話が大きく変わってきたりするわけです。
30MSは、30MMの部品が使えますから、組み合わせによってお好みの「ロボ度」に整えることができるわけですね。頭だけ交換すれば異形頭にもなりますし、部品の付け方によっては、モン娘っぽくもできそうです。
……いや、ちょっと待てと。30MMって結構ゴツいロボットだらけなんですね。ゴリラっぽい体に女性の顔を付けても、ちょっとびみょいっていう。
そんな事を考えていたら、こういうのが。……これ狙ってるな? 狙ってるよな、バンダイさんよォ!
そんなわけで、最初期の製品を買いつつ、スピナティア(アサシン仕様)の発売日を迎えたのでした。
で、組んだのがこれ。
……めっちゃかっこよくね? これ。
PCの画面からだとピンクに見えますが、結構赤色に近いです。「桜色」って表現が一番近いかも。
コンセプト的には「くノ一」だそうですが、巫女衣装っぽくもあります。……歩き巫女?
先行して組んでみたポルタノヴァと比べると、アーマーの自由度が高くて、単体でも色々なカスタマイズが楽しめます。
ポルタノヴァは単体での組み換えの余地があまり無くて、そういう楽しみ方をするなら、オプションパーツを併せて購入するか、他の機体を同時に買う必要があります。
ポルタノヴァは、本体と「鎧」とが一体のような作りになっていて、装甲を外すと著しくみすぼらしくなってしまいます。その点スピナティアは、裸の状態でも充分によくできていて、部分的にアーマーを付けるような感じに楽しむことができます。こういう構造も、カスタマイズを楽しみやすくしているんだと思います。
そんなわけで、30MMの「組み換え遊び」を楽しみたいのであれば、ポルタノヴァよりスピナティアの方が圧倒的におすすめです。スピナティアやスピナティオ以外を購入するなら、オプションパーツセットなどを併せて購入した方がいいです*2。
ところで、私はときに、欲しい欲しいと思いつつもあえて買わないという消費行動をとる事があります。たとえばマインクラフトとか、13年以上前から欲しいなって思っていた。けど、現在に至るまで購入していません。なぜなら、ハマるから。
私は、私自身の興味関心をあまり制御できないタイプの人間なんですね。なので、もし不意に関心を持ってしまうと、それ以外のことを投げ出して没頭するなんて事がしばしばあり、そのタイミングによっては割とシャレにならない事態になってしまった事が過去に何回かあったんですね。
そんなわけで、確実にハマりそうってものには、なかなか手が出せないんです。手を出すにしても、万一ハマってしまった場合にリカバリーが効くタイミングとか状況とかで手を出す事が多いんですね。
最初、私、こいつにハマるとは全く思ってなかったんです。正確には、ハマるかどうかを確認するために、試しにポルタノヴァを購入したんですね。その時は、「へぇー、こんなもんか。思ったよりショボいな」ってなって、まあそこまでハマらんだろうと判断してしまったんです。
ところが、
スピナティアの購入翌日ぐらいに、アーマー目当てでもう1機とカスタマイズウエポンズ(戦国仕様)を購入*3。一応、スピナティア(フェンサー仕様)が「女騎士」として用意されていますが、どうしても日本刀を持たせたかったんや……。
スピナティアのフルアーマーは、アサシン仕様とフェンサー仕様とのミキシングが公式で示されているのですが、アサシン仕様2体での装甲増量もオツなもの。色彩的にも統一感が出ます。
こうなってくると、今まであまり関心が持てなかった他の30MMシリーズにも興味が湧いてきます。「おっ。このパーツ、うちの娘にええやん」「これ組み合わせたら、うちの娘がより可愛くなるんじゃないか?」って。
たったひとつのパーツを得るためにまた1機買おうとした時、ふと気付きました。これはやばい。きりがない。
欲しいパーツのために延々色々なシリーズを買ってしまい、それどころか、「使ってないパーツで新しいの作れるじゃん」って無限に増殖してゆくやつだこれ。
やべぇと思った私は、100円ショップに走りました。やってきたのは、ダイソー。
セクションケース(29.5cm×19cm)jp.daisonet.com
そして購入したのが、このセクションケース。
あんまりこの手の情報が見つからなかったので参考までに。30MMの収納、本体はダイソーのセクションケース…(150円商品の18マス)アルトのデフォ以外は片腕外さないと収まらないけど、それでもこれが探した中では一番いい感じ。見ての通りケースひとつで素体6体入るのはなかなか嬉しい。 #30MM pic.twitter.com/f4VFuracRp
— 前転リネン߷ (@RollingRinen) 2019年11月5日
前にもツイートしたけど、ダイソーのセクションケースが30MMのパーツ保管に便利。 pic.twitter.com/R1fomE2jdO
— しおたけ@生後半世紀 (@shio_take) 2019年10月27日
昔の100円ショップの商品だと、作りが結構ショボくて、いくらセクションケースって言っても振ると中身がゴチャゴチャに混ざるという事がままあったのですが、とりあえず、30MMの部品ぐらいの大きさであれば、全く問題なさそうです。
初期の製品、アルトとかなら分解しなくても6体入るようですが、スピナティアは大柄なので、一部分解して3体入れば御の字といったところでしょうか。
相当に増えてきたら、収蔵のためにカラーボックスかコンテナを手配しないといけないかもしれませんが、とりあえずはこれでいいでしょう。
久々に、強烈に物欲を刺激されました。鉄道模型と比べれば圧倒的に安価ではありますが、場所もお金も時間も有限なので、その辺りには気を付けつつ、楽しんでいきたいところ。