海ミハ車両区

宮原太聖(Miha)の雑記帳。おおむね週1回更新でした。当面(記事がある程度貯まるまで)はおおむね月1回の更新です。

日本民家集落博物館

日本民家集落博物館は、大阪府吹田市にある服部緑地公園内にある、屋外型の博物館です。

 

地味に交通の便が悪く、公共交通だと北大阪急行御堂筋線)の緑地公園駅から服部緑地公園へ向かい、更に公園内をそれなりに歩くことになります。子供連れや高齢の方だと、けっこうしんどいと思います。

車の場合、日本民家集落博物館の入り口直近に駐車場があります。そういう点では、車でのアクセスの方がおすすめですが、服部緑地公園近辺は道幅の狭い住宅地が広がっています。そのため、運転しててけっこう疲れるかもしれません。

 

 

入口はこんな感じ。

このゲート自体も、大阪府にあった長屋門を移築してきたものだそうです。

 

入口横に設置されている看板は、錆だらけ。ただまあ、こういう所にお金かけるぐらいなら、ちゃんと建物を維持する方向にお金を掛けて欲しいというのは実際あるので、これはこれで味があると思っておきましょう。

早速、案内看板に存在しない建物があります。博物館事務所として使われているこの建物ですが、実は、福島県いわき市で使われていた、応急仮設住宅です。

東日本大震災の被災者を受け入れる目的で、震災発生から僅か5ヶ月後に建てられ、7年間使われ役目を終えたのちに、この博物館に引き取られたんだそう。

考えて見ると、仮設住宅でこうやって保存されている事例って、そんなに多くないように思いますし、そういう点で貴重な建物といえるでしょう。

 

宮崎県の農家。なんかTOMIXのストラクチャーにこういうのありませんでしたっけ?

 

大変すばらしいことに、この博物館に移設展示されているほぼ全ての建物は、中に入ることができます。

また、建物の維持のために、職員さんだかボランティアさんだかが、定期的に囲炉裏を使ったり雑巾や箒で清掃したりしています。やろうと思えば、宿泊もできるんじゃないかなってぐらいのクオリティで維持されていて、これもっと知られてもいい施設なんじゃないかなぁって思います。マジで。

 

長野県と新潟県の県境付近にある、日本最後の秘境こと秋山郷にあった民家。インターネット老人会の人には「栄村」と言えば通じやすいかもしれません。

豪雪地帯なので茅壁になっているほか、中世の民家の形態を色濃く残しているそうです。

 

盛岡市(旧南部藩)の民家。曲屋という、馬屋と母屋とをL字型に繋がっているのが特徴です。

 

ただ、茅葺屋根がけっこう酷い状態になってきていますね。この記事が公開されている頃には葺き替えされているといいのですが……。

 

南部の曲屋のすぐ向かいには、小豆島にあった歌舞伎舞台があります。

神社のすぐ横に建てられていたものだそうで、お祭りの際に奉納の歌舞伎が披露されていたそう。

 

摂津・丹波地方の民家。この博物館の中で一番古い建物で、江戸時代初期頃の建築だそうです。

 

この民家、なんとアイランドキッチンです。

最後に、白川郷の合掌造り。

 

岐阜県富山県との県境辺りによく見られる建築様式で、人間は1階で生活し、2階より上は蚕を飼育するために使われます。

こういうの、ほっこりしますよね。

 

全体として、ややマニアックな博物館であることは否定しないのですが、それにしても、江戸東京たてもの園明治村などと比べて、あまりに知られていないのに驚きます。
創作の資料集めにも役立ちそうですし、少なくともオタク界隈ではもう少し有名になって欲しいものです。

 


(訪問:2023年9月)