海ミハ車両区

宮原太聖(Miha)の雑記帳。おおむね週1回更新でした。当面(記事がある程度貯まるまで)はおおむね月1回の更新です。

オンリーワンは強い(シチズンのソーラー電波懐中時計を買った話)

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かつて腕時計は、社会人にとって必須のガジェットでした。あらゆる物事が分単位秒単位で進行してゆく現代社会において、正確に時を刻む時計を身に着けることは、社会性を身に着けることと同義でした。

しかし、21世紀になり、時計機能を内蔵するスマートフォンが普及すると、わざわざ時計を別途持ち歩く必要性は一気に薄れていきました。……まあ、今度は新たに「スマートウォッチ」とかも出てきていますが。

さて、腕時計が開発されるより前、人々は時計を腕ではなく懐に忍ばせていました。懐中時計です。そもそも腕時計とは、わざわざ懐から時計を取り出す手間を嫌った軍人らの需要に応えるために開発されたものでした。

それを踏まえて、近年の状況を概観してみると、当初懐に仕舞っていた時計が、一時的に腕へと移り、またスマートフォンとして懐へと戻って来た、とも言えるでしょう。

 

 

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それはそれとして、私の場合、腕時計の金属部分がずっと手首に張り付いている感触がどうも好きになれず、ずっと腕時計を持たずにいました。持ったとしても、安い腕時計か、父のお古(買い替えで不要になったもの)を貰い受けて、裏蓋が素肌に付かないように改造して使っていました。

 

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そうこうしている内に、父から貰った腕時計(REGUNO GN-4-S)の電池が尽きてきたのか、よく遅れるようになってきました。メンテに出して電池交換すりゃ良い話ではあるのですが、付いているカレンダー機能がどうにも使い勝手が悪い。電波時計ではないので、毎月頭に日を設定しないといけないんですね。これがめんどくさい。

というわけで、しばらくの間、スマホの時計を使っていたのですが、これもまた面倒。というのも、スマホで時計を見るためには、ポケットからスマホを出して、電源ボタンを押して画面を起動させないといけないんですね。そこで表示されるのは、デジタル式の時刻表示なので、アナログ時計を出すためには、パスワードを入れてアプリを起動させないといけない。運転中にやったら、ながら運転で逮捕です。

一番マズいなぁって思ったのが、授業中。授業の進行管理のために時間を確認したいなぁって場面がちょくちょくあるのですが、都度都度スマホの電源ボタンを押して云々なんて面倒すぎてやってられない。そもそも、学生の前でスマホばかり見てるのもなんか感じ悪いですし、時間を確認するために進行が止まるのも嫌。

腕時計を使っていた時も、この辺りはなかなかに悩みの種でした。授業中、腕時計を外して教卓の上に置いていたのですが、文字盤がやや小さく、見辛いったらありゃしない*1。その点、昔ながらの懐中時計なら、腕時計より一回り二回り大きいので、高い視認性を期待できます。

 

カレンダー機能は便利なので欲しい。けど、日時合わせが面倒なので電波時計にしたい。電池切れを起こすと色々面倒なので、ソーラーだと尚良し。視認性の観点から懐中時計がいい。……そんな時計あるのでしょうか?

 

reguno.jp

reguno.jp

あるんだなこれが!

 

k-tai.watch.impress.co.jp

これが、おそらくこの世で唯一、少なくとも日本国内で普通に入手可能な中では唯一(2021年8月現在)の、電波ソーラー懐中時計です。電波ソーラー懐中時計が欲しいなら、この機種しかありません。

念のため、この記事を書く前にAmazonで調べましたが、電波懐中時計とか電波ソーラー懐中時計とかで検索を掛けても、こいつ以外は、明らかに商品説明がおかしな詐欺的な商品しかヒットしませんでした*2

オンリーワンというのは、大変に強いものです。どんな高級時計も、この懐中時計には敵いません。なぜなら、それらは電波ソーラー懐中時計ではないから。

 

 

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この懐中時計には、金属製のチェーンが付属しています。洋服のベルトやボタン穴などに通して使うものですが、私は、セイコーの鉄道時計の紐だけを取り寄せ、取り付けて使っています。金属チェーンだと洋装でしか使えませんが、紐なら和装でも洋装でも安心して使えます。

 

おそらくムーブメントは腕時計用のそれだと思います。その証拠に、竜頭が右側に付いている、「蓋の無いハンタースタイル」みたいな形をしています。

文字盤は通常の男性用腕時計よりやや大きめ、厚みもやや厚めか同じぐらい。懐中時計なので、もう少し大きくても問題無いかなって感もあります。

 

蓋が無いので文字盤のガラス(風防)の強度が不安でした。しかし、杞憂だったようです。何度か不注意で落としたり、机の上に置いてたら猫にイタズラされて落とされたりしたのですが、傷一つありません。

購入してすぐぐらいに、ポケットの中で誤って竜頭を上げてしまって時間表示がグチャグチャになってしまった事がありましたが、電波を再読み込みしてあげたらすぐに直りました。

電波をきちんと読めているのか、それとも中身のクオーツの精度がそもそも良いのか、かなり適当な場所に置いていても時間が狂ったりは無いです。

充電不足になると秒針が2秒に1回動くようなモードになるらしいのですが、今のところ、そのモードに入ったところを見た事がありません。余程、引き出しの中とか箱の中とかに数週間しまい込んだりしなければ、電池切れを心配する必要は無さそうです。

 

 

もしかしたら、「今時、懐中時計なんて一体どんな需要があるんだよw」って思われるかもしれません。しかし、先に述べたように、教卓に置いて時間を確認したい教員には、まず間違いなくおすすめできます*3

また、博物館や美術館で働く学芸員のように、仕事柄、腕時計を付けることができない人にとっても、おそらくはこれ以上ないぐらい実用的な時計と言えるでしょう。

たしかに、こういった需要は少数派かもしれません。しかし、確実に存在する需要です。そんな中、市場に供給されているのはこのシチズンREGUNOだけ。否応なくこれを選ぶしかないんです。唯一にして至高なのです。そう思うしかないのです。

 

惜しむらくは、カレンダーが日のみの表示で、曜日が出ないことぐらい。実用品ということを考えると、カレンダーが液晶になってもいいから曜日は欲しかったかなぁ……。

*1:男性用の腕時計なので、女性用と比べれば大分大きいものの……。

*2:ナースウォッチなら、ナースリーのナースウォッチが電波式のようです。およそ5000円とお手軽価格なので、竜頭側が6時でもよければ、こちらでもいいかもしれません。

*3:購入後に知ったのですが、私の師匠的な先生が全く同じ型の色違いを持っていました。まあ、電波ソーラー懐中時計ってもうこれしか無いので、そりゃあそうなるかって話ではありますが。