2023年の盆休み、九州への帰省にさんふらわあむらさきを使うことにしました。
丁度約1年前に進水し、2023年4月に就航したばかりの新造船です。
さんふらわあむらさきが就航する前に運航されていたさんふらわあこばるとの乗船レポ(2019年5月)はこちら。
Web上で手続きを終わらせている場合、さんふらわあ前の駐車場に車を停めて改札を待つだけでOKなので、極論すれば、改札がスタートする直前ぐらいまでに着いていれば乗船できるのですが、普通に職員さんに迷惑でしょうし、なにより、早めに着いておくと早めに乗船・下船できるので、可能なら早めに着いておくのがおすすめです。
停める際は、あまり詰めすぎないようにしましょう。前の車がトランクを開けれなくなっちゃいます。
さんふらわあには、ペットと一緒に乗れるウィズペットルームというのがあるのですが、それを利用する車や、バイク、車高が低めな車はそれぞれ別のレーンに案内されます。
車両甲板はこんな感じ。乗船時も下船時も係員の誘導に従います。駐車順と船室へ向かうエレベーターの位置とがちゃんと工夫されているので、子供連れでも危険を感じることはあまり無いと思います。
車と車との間も割と空いていてがっつりドアを開けれます。
出航してしまうと後は入港時まで車へ戻れないので、乗船前にあらかじめ、船内で使う荷物(着替えとか財布とか)を別に分けておくといいでしょう。船内にはお金が返ってくるタイプのコインロッカーも大分ありますが、それなりに大きな荷物を持って船内を右往左往するのはけっこう面倒です。
乗船してコインロッカーに荷物を預けたら、すぐレストランに。窓際の席からは、大阪の夜景が見えます。
この日は、USJ方面から打ち上げられる花火を見ながらの出航となりました。ドラマチック!
夕食後、一旦部屋に行きます。今回泊まるのは、プライベートベッド。
この日はお盆シーズンだけあって、満室満席。うっかり部屋を間違えると大変。
部屋は相部屋なのですが、その部屋に入るには、QRコードを機械に読み取らせないといけません。同室の人以外は入れない仕組みになっています。
QRコードなので、スマホの画面にスクショでも写真でも表示させてあげれば普通に認識しますし、なんなら、Web予約の場合はメールでQRコードが送られてくる仕組みになっています。
ただ、海上では電波が通じにくくてQRコードの画像が表示されにくかったり、スマホの画面サイズによっては機械との相性があまり良くなかったりする場合があります。その場合は、QRキー再発行機でQRコードを印刷すると便利でした。
で、プライベートベッドは、こんな感じ。さんふらわあこばるとの時はツーリストという雑魚寝部屋だったのですが、さんふらわあむらさきにはツーリストの設定はなく、プライベートベッドが最安の船室です。
ほぼ、カプセルホテルと同じ形態。ただ、最近の流行りなのか、マットレスがけっこう固めです。あとクーラー効きすぎて寒い。苦手な人は、何か対策をした方がいいかもしれません。
さんふらわあこばるとのツーリストは、エンジンの音や振動が気になったりもしたのですが、プライベートベッドは一番安くて一番階層が低い所にある部屋なのに変な音とか振動とか一切ありませんでした。時々、左右に舵を切ってるなって感じの揺れというか船体が斜めになってるなって感じがありましたけど、その程度です。そういう意味では、乗り心地は格段に改善されています。
ちなみに、ポケモンGOプラスプラスで睡眠計測ちゃんとできました。……一体どんな仕組みになってるんだろ、これ。
電源は家庭用交流とUSB TypeAが設置されています。まあ、これぐらいあれば通常は必要充分かなぁ。すぐ横の棒は、スマホ置きかと思ったのですが、スマホを置くには幅が狭く、足元に設置されているテレビ用のリモコン置き場といった感じ。
で、これがそのテレビ。地上波番組が見れる……のですが、ほとんどの場所で電波がきちんと届かずマトモに見れません。
さんふらわあむらさきの前方向に付いているらしいカメラの映像をリアルタイムで見ることができ、これが何気に便利。もう明石海峡大橋が近づいていることがわかったので、見物に出かけます。
外に出てみると、人がいっぱい。
まあそりゃあ、みんな見に来ますよね。明石海峡大橋と神戸の夜景です。
でまあ、このまま風呂入って寝ようかとも思ったのですが、お風呂がけっこう混雑しててあまりゆっくり入れなかったのと、先に説明したようにマットレスが固すぎてなかなか寝付けないでいたら、瀬戸大橋の辺りまで来てしまいました。
明石大橋と比べると時間帯も大分深夜な事もあって、見物客はまばらでした。
船もまあ微妙に揺れてるしそもそも動いているし、光源あまり無いしで撮るの難しかったんですが、夜景モードで辛うじて撮れたのがこれ。
この辺りは古代から海賊が多くて、日本最古のネカマこと紀貫之なんかたしか、海賊にビビりすぎて髪の毛が真っ白になったって書いてた気がするのですが、そんな紀貫之がこの景色を見たら、一体どんな感想を抱くでしょう。
翌日、船は松山沖を通り過ぎ定刻通りに別府へ向かっています。食堂で行き交う船を眺めながら朝食を摂ります。
昨晩のお風呂の時もそうだったのですが、窓ガラスが凄くクリアです。さんふらわあこばるとは、長年の海風で削れてしまったのかすりガラスみたいになっていたのですが、さんふらわむらさきは、お風呂の窓も食堂の窓もすごくよく景色が見えます。
朝食を食べ終わったら、軽く散歩。……といっても、そんなに広くはありませんが。
さんふらわあむらさきは、大阪南港を夕方に出発して、12時間ほどかけて別府に到着します。他社のフェリーもだいたい同じぐらいの時間をかけて、九州と関西とを結んでいます。
Googleマップで検索をかけてみると、大阪南港から別府観光港までを山陽道経由で行くと8~9時間ほどだそうです。……と考えるとフェリー遅くねって思うかもしれませんが、1時間あたり15分の休憩を挟むと考えると、おおよそ11時間半。時間帯的に夕食や朝食の時間も含めるともうそれだけで12時間は超えます。途中で渋滞に巻き込まれたり仮眠でもとったらもっと掛かるでしょう。
私の経験上、岐阜を夕方か深夜に出発すると、大分県に着くのが翌日昼過ぎぐらい。現地で活動するにしても午後の数時間ぐらいしか無理です。今回、たまたま帰路が台風の影響でフェリーが運休してしまったので中国道経由で帰ってきたのですが、朝11時頃に出発して自宅に戻れたのは日付変わってちょっとしたぐらいの深夜でした。
新幹線を利用する場合でも、始発の電車に乗ったとしても大分に到着する辺りで12時を迎えてしまうので、午前中の時間が丸々潰れるという点では同じ。
それと比べると、フェリーなら船内でくつろげるしフラットな場所で寝れるし、到着したら朝7時とか8時とかなので午前中から色々動けるしで現地での時間をかなり有効に使えるんですよね。これはかなりの魅力なんじゃないかと。
そんな事を考えていたら、下船の時間です。
着岸してしばらくしてから誘導が始まります。エレベーターは混雑するので階段の使用を推奨されますが、足腰が悪いとか事情がある場合は普通にエレベーターを案内されます。
乗船した時と同様に、準備が終わると係員の人が下船口まで誘導してくれます。下船するとそのまま一般道へと出ていく感じなので、下船前かなんなら乗船前に、カーナビをセットしておくといいでしょう。
さっきちらっと書きましたが、本当は、帰路にもさんふらわあを使う予定でした。ところが、台風接近に伴って出発当日の10時頃に欠航が決まり、急遽、中国道を自走して帰ることに。
さんふらわあの場合は、10時~10時半ぐらいの間に欠航するかどうかを決めているようなので、台風が接近していたりでちゃんと動くか不安な時は、10時すぎぐらいにさんふらわあ公式サイトを確認するようにしましょう。ちなみに、メールで案内が来たのは昼頃でした。
(乗船:2023年8月)