控え目に言って、快適です。快適ですが、コロナを気にせず屋外に持ち出して使えれば、もっと快適だと思うんですけどね……。
購入から今まで
ThinkPad E495については、発注から到着、改造、改造した結果のトラブルと、随時記事を書いてきました。
改めて説明しますと、
- 今まで仕事用(研究用)に使っていたLet's note CF-LX5を今年度一杯で大学へ返却するので、代替機が必要。
- ThinkPad X260を趣味用で購入した所、ThinkPadのキーボード(とくにトラックポイント)にほれ込み、レツノの代替機はThinkPadにすることに。
- ThinkPadでメモリやSSDをユーザーが交換できる機種は、今や非常に限られており、CF-LX5と同じぐらいの大きさだとE490とE495ぐらいしか選択肢が無かった。
- せっかくなので、コスパのよいAMD Ryzenを積んでるE495に。CPUはオンボードで交換不可なので最高スペックのRyzen7(3700U)を積んどく。
- 発注は5月末、弾着は6月中旬。
- 届いてすぐ、SSDを換装・増設し、メモリも換装。ところが、SSDの初期不良で動作が不安定。
- SSDを購入したツクモでSSDを新品のものと交換。
- AMD Radion SettingsでVari-Brightをオフ*1。
7月末にようやくマトモに使えるようになり、作業用として使っています。Outlookのセットアップを行った際に、何かミスったようで、そこだけ調子がおかしいです*2。
使用感
天板
ThinkPadのXシリーズとかだと、ピーチスキンと呼ばれるような、ちょっとざらっとした加工が施された天板が使われています。このE495は、ピーチスキンではない、ツルツルしたアルミが使われているようです。
このアルミの天板、ちょっとしたキズで塗装が剥がれます。私は、ノートPCはケースとかに入れずにそのままカバンに入れてしまう派なのですが、出し入れした際にどこか当たって擦れたんだろうなぁって所は、極めて部分的で僅かではあるのですが、塗装が剥げてしまいました。
この機種の場合、適当にステッカーチューンでもしてあげた方が、むしろ、シールで天板を保護できそう。
キーボード
定評のあるThinkPadのキーボードは、過去の機種と同様に、使い勝手が良いです。TKBことトラックポイントがあるおかげで、手の形を崩さずにマウスも使えます。
ちなみに、トラックポイントが誤動作するという現象に悩んでいる方、いらっしゃるかもしれません。一定以上の温度などで誤動作する事が知られていますが、トラックポイントキャップを外して、エアダスターなどで掃除をしてあげるだけで、大分症状が緩和されたり無くなったりします。勝手にマウスポインターが動いてしまって困ってる人は、お試しあれ。
タイピングしていると、右手がほんのり暖かくなります。これは、丁度右手の手首の下辺りにSSDがあるからです。左手首の下にはバッテリーがあるはずなのですが、そちらはあまり熱くなりません*3。
あと、センターボタンの押し込み問題ですが、1ヶ月でだいたい慣れてきたかもしれません。けれど、やっぱり、前の形状の方が押しやすいと思うがなぁ……。
バッテリー
3セルとのことで、稼働時間にやや不安がありました。
しかし、ふたを開けてみると、意外ともつことがわかりました。使い方にもよるのですが、おおむね、3~6時間ほどはいけるんじゃないかと思います。おおむね、作業用として半日から1日程度は持つ感じです。
今まで使っていた、レツノとほぼ同じ雰囲気で使えます。流石に宿泊を伴う旅行ではACアダプターを携行する必要がありそうですが、そうでもなければ、自宅で充電しとけば問題なさそうです。
充電時間は、思ったより短いです。これは、バッテリーの容量がそもそも少ないことに加えて、使っているACアダプターが65Wだからだと思います。仮に出先で残量に不安を覚えたら、近くのACアダプターが使えそうな所に駆け込み、PC使いながら1時間でも充電させて貰えれば、まあ、なんとかなりそう。
もし、普段あまりバッテリーを使用しないのであれば、Lenovo Vantageから「バッテリーのしきい値」を設定してあげるといいでしょう。
CPU・メモリー
今のところ、これらのスペックをフルに使う作業をあまり行っていないので、なんともです。ただ、クソ重Excelファイルを開く時なんかは、待ち時間がかなり減ったかなと。
それと関係するんでしょうけれど、E495は、あまり音をたてません。以前なら、ちょっと重たい作業をする際など、CPUクーラーが唸りをあげて排熱を机に叩きつけていたのですが、同じ作業をしていてもE495は静かです。
SSD
SSDは換装しましたが、Microsoft365を契約すると1TBの容量が使えるようになるので、「もう、こいつ(365)だけで良いのでは」って気が少ししています。とはいえ、まだまだいつでもネット使えるわけでもなく、オフラインで保存しておきたいファイルもあるので、今はまだ、大容量のSSDがあった方が色々捗りますね。
E495は、M.2とSATAにそれぞれSSDを搭載できます。私は、M.2にCドライブ、SATAにDドライブを置き、OS以外をDドライブに移しています。結果、Cドライブをリセットしても、大切なデータはDドライブに入ったままとなり、生存性が高まりました。バックアップする際も、Dドライブを丸々コピればいいだけなので、楽々。
将来的に、SATAのSSDの値段がもっと下がるようなら、1TBとか2TBとかにしてもいいかもしれません。あるいは、M.2の普及でSATAが空くようなら、その空いてるSATA端子を使って接続するパーツとか新しく何か出てきたりしませんかね。TVチューナーとか。わからんけど。
画面
私はオプションでフルハイビジョンのIPS液晶にしました。
表示部分は、A4ヨコと比べると、縦が短く、横が長い感じです。まあ、持ち運ぶ事を考えると、こんなもんじゃないでしょうか。
最近のノートPCやディスプレイでは、縁が小さいスリムベゼルモニターないしフレームレスモニターが流行っているようです。しかしThinkPadは、そのような流行りにそう簡単に飛びつくようなブランドではなく、昔ながらのベゼルが大きな黒縁ディスプレイを採用しています。
「古臭い」「ダサい」って思う人も居るかもしれませんが、むしろ、フレームレスだと、ちょっとした衝撃でディスプレイが割れるのではないかと不安になるので、私としては分厚い方が好ましいです。
端子類
microSDスロットがあるのは、地味にありがたいです。普通にSDカードスロットの方がなおありがたかったかもしれませんが、今時、仮に普通のSDカードスロットがあっても、microSDカードに変換アダプターを付けてる場合が多いので、まあ、これも時代の流れかなって感じはします。
充電がUSB Type-Cになったのもうれしいですね。こういう規格統一は歓迎です。ThinkPadの充電器でスマホも充電できるようになれば、持って行くACアダプターを1コ減らせます。
重さ
だいたい、学術専門書2~3冊ぐらいの重さだと思います。
E495のレビューを見ていると、持ち運びをあまり考えない人向けのノートPCだとか、そういう風に評されているものも少なくありませんが、私はそうは思いません。充分持ち運び可だと思います。軽ければ軽いに越した事は無い、という考え方は理解できますが、それにしても、これぐらいの重さだったら普通に持ち運べるでしょう。
スペック
出荷時 | 改造後 | |
---|---|---|
CPU | AMD Ryzen7 3700U 第2世代Ryzen7 2.30GHz |
|
GPU |
内蔵 |
|
メモリ |
DDR4 4GB (Max 32GB) |
crucial CT16G4SFD8266 |
M.2 | 128GB | crucial P2 CT500P2SSD8JP Type 2280 500GB |
SATA | なし | WB Blue 3D NAND SATA WDS500G2B0A 500GB |
液晶 | FHD (1920x1080) IPS | |
バッテリー | 3セル 45Wh |
Officeは付属していませんので、Microsoft365を契約して使っています。
総評
私の消費行動
IT界隈では、最新のものを買い、次のモデルが出たら古いモデルを売って新しいモデルを買う原資にする……といった事をやっている人を多々見ます。たしかに、その方法なら、常に最高スペックのガジェットを使い続けることができます。しかし、私は、そのような消費行動は、あまり好きではありません。
まず、次々とガジェットを乗り換えていくのは、非常にリスキーです。新しい機種が自分にとって最適である保証なんてどこにもないからです。技術が急激に進歩していった時代ならともかく、これからはもう、言うてそういう時代でもないでしょう。新しい技術も、いつかは成熟(停滞)していくはずです。
そして、買い替え時に下取り(売却)を前提するのも、これまたリスキー。売却後に「やっぱり前の機種の方が」なんてなっても取り戻せませんし、また、期待通りの値段で売れるかどうかも未知数です。むしろ、ギャンブルでは。
そんなわけで、私は、最高スペックで買って、末永く使う……といった方針をよくとっています。
一番いいスペックが求められるのは、現状、作業用PCなので、ここに最新のPCを投入します。趣味用PCは、かつて作業用PCとして使っていたものを。予備機はかつて趣味用として使っていたものを……と、玉突きで転用・更新していくというわけ。
この方法なら、万が一のトラブルが起きても、転用していたものを元の位置に戻せばいいだけですし、「出涸らし」になるまで徹底的に使えます。X260を中古で購入したのも、X260の発売時期が、作業用として使っていたレツノとほぼ同時期だったので、将来の更新周期的に好都合だった、という理由もあります。
末永く使うならE495
最初、部品の交換でトラブルが多発しましたが、トラブルが収まった状態で冷静に見てみると、割とよい買い物だったのではないかと思います。本体が7万円ほど、交換用部品が2万5000円ほど。大須のツクモへの交通費を加味しても10万円でおつりが来ます。Officeを別途調達する必要があるとはいえ、なかなか悪くないチョイスだったのではと思います。
たとえば、同じThinkPadでは、X395の最廉価モデル、Ryzen5搭載機種がおおよそ10万円ほどです。メモリも16GBですがオンボード。SSDは交換可っぽいですが標準では256GBが1コだけ。ThinkPadにこだわらなければ、IdeaPadやDell Inspiron、HP ENVY、マウスコンピューターなどで競合しそうな商品はありますし、中古や新古まで手を広げれば、もう少し選択肢はあるかもしれません。
とはいえ、これらの競合機種には、将来のスペック増強のための余地があまりありません。他方E495は、将来的な拡張のための準備工事施行済み。将来に渡り、部品を付け替えつつ使っていくなら、やはりE495一択です。
今回購入したE495は、将来(5~10年後)、次世代機に役目を譲って、趣味用PCとして第二の人生を歩む事になるでしょう。更にその後は、予備機として休眠するか、Linuxなどの実験用として使われるか。
いずれにせよ、末永いお付き合いになりそうです。また、そうあることを期待します。