海ミハ車両区

宮原太聖(Miha)の雑記帳。おおむね週1回更新です。

マストドンのインスタンス(サーバー)選び方は、フリーメールの選び方と同じ。

マストドンについて知ろうとしたり、マストドンを始めようとしたり、あるいは、マストドンを始めたばかりだったりすると、「インスタンス(サーバー)」について、多くの人が頭にハテナマークを浮かべるだろうと思います。

マストドンは分散型のSNSなので、マストドンについて説明しようとした時、この「インスタンス(サーバー)」というものの説明は避けては通れません。これまで色々な人が色々な説明を試みてきましたが、最近の私は、「フリーメールと同じ」という説明が気に入っています。

 

フリーメールとは 

最近の10代20代だともうLINEばかりでメールなんて使わないでしょうし、そうでなくとももう業務以外ではメールなんて使わないとか、使うにしてもケータイ・スマホのキャリアメールだけだって人も多いと思います。なので、「フリーメール」とは何かについて、一応説明しておきます。

フリーメールというのは、必要事項を入力すれば誰でも無料で手に入れることのできるメールアドレスのことです。今は、スマホの契約をすればメールアドレスを貰うことができますが、まだインターネットが普及し始めたばかりの頃は、メールアドレスはオプションだったり別料金だったりしてました。

ブラウザからメールの確認をしたり送受信したりすることから、Webメールなんて言い方をすることもあります。

有名どころでいくと、Yahoo!メール、GmailOutlook.comなどですね。私もYahoo!メールを使っています。かつては、NTTのgooが提供していたgooメールというのもありましたね。

 

メールとマストドンとは似てる

メールとマストドンとは、よく似ています。

メールは、SMTPという規格が使われています。どこか特定の企業だけが独占しているサービスではなく、色々な企業が提供していますし、なんなら自分でメールサーバーを立てることもできます。

マストドンもActivityPubという規格が使われています。どこか特定の企業だけが独占しているサービスではなく、色々な企業が提供していますし、なんなら自分でインスタンス(サーバー)を立てることもできます*1

メールアドレスとマストドンのユーザーIDとも似ています。たとえば、私が「miha」というユーザー名でYahoo!メールでメールアドレスを取得したとすると、miha@yahoo.co.jpというメールアドレスになります。@より前がユーザー名、@より後がドメイン名です。ドメイン名というのは、どこのメールサーバーなのかを示す名前です。

マストドンのユーザーIDの場合、たとえば「TaiseiMiyahara」という名前でPawooでアカウントを作ったとします。すると、@TaiseiMiyahara@pawoo.netとなります。最初の@以下がユーザー名、2つ目の@以下がドメイン名です。

 

フリーメールの選び方とマストドンの選び方

 フリーメールを選ぶ時、何を基準に選べばいいのでしょう。個人的なメールであっても、盗み見られては困りますから、そういう事をしないだろう所を選ぶ必要があります。また、きちんと技術を持っている所でないと、サービスが不安定になりがちだったりするかも知れません。営利企業である場合、「儲からないから」とサービスが停止されるかも知れません。そういった諸々を考えて選ぶ必要があります。……何なら、自分でメールサーバーを立ててしまった方が安心かもしれません。

マストドンも同じです。マストドンは、フリーメールと比べると幾分セキュアですが、それでも同じことです。マストドンを騙ったフィッシング詐欺とかも(今までそういうのは聞いたことありませんが)将来的にはあるかもですし。自分でインスタンス(サーバー)を立てた方が安心という点でも同じですね。

マストドンに関する古い記事では、往々にして、「企業が運営するインスタンスの方が安全」「個人運営のインスタンスは信用できない」「多くの人が登録してるインスタンスの方が安心」「独自機能で選ぶべきだ」といったことを書いていますが、そんなことはありません。ナイセンが運営していたインスタンスは大分昔に閉鎖されてしまいましたし、Pixivが運営するインスタンスは、ユーザー数が多すぎるせいか、独自機能が多すぎるせいか、バージョンアップが遅れ気味です*2

フリーメールでも同様ですね。Yahoo!メールなんか、何度か情報漏洩で行政指導を受けてますし、Gmailなんか、あのGoogleですし。その点、マストドンは、最初からプライバシー保護を謳ってます。

一部のフリーメールは、スパムメール対策のために受信拒否されていることがあります。私の経験上、官公庁にYahoo!メールなどからメールを送ると、相手さんに警告メッセージが表示されるようにはなっていることが多いよう。

マストドンでも、あまりに迷惑なユーザーが多いインスタンスは、他のインスタンスからブロックされることがあります。そして、そういう迷惑なユーザーが出てくる確率は、ユーザー数におおむね比例すると考えてよいでしょう。

インスタンスを選ぶ際には、以上のようなことを念頭に置いた上で 検討すると良いのではないでしょうか。

 

実は使い方もフリーメールと同じ

 マストドンインスタンス(サーバー)選びは、フリーメール選びと同じという話なんですが、実は、使い方もメールと同じだと考えると、大分理解が促進されるのではとも考えています。

たとえば、私はYahoo!メールを使っているのですが、Yahoo!メールを使っているからといって、同じくYahoo!メールを使っているユーザーとしか交流できないわけではありません。普通にGmailを使っている人とかなんならキャリアメールを使ってる人へもメールを送ることができますし、返信することもできます。

マストドンも全く同様です。ローカルタイムライン(LTL)や連合タイムライン(FTL)があるので誤解を招きやすいですが、そういうタイムラインに出ていないような他のインスタンス(サーバー)のユーザーもフォローできますし、ブーストしたりFavしたりリプ送ったりできます。

 

mstdn.jp

 

これからマストドンを始める人へ

以上、読んで貰えればわかるように、マストドンは、TwitterFacebookなどとは根本的に異なる仕組みのSNSです。普通に使う分には意識する必要は無いですが、つまらないなと思った時、何か困ったことが起きた時など、マストドンの特殊性を思い出して貰いたいのです。

LTLに人が居ない? 他のインスタンスのユーザーとも積極的に絡んでみてはいかがでしょう?

管理者が信用できなくなった? 使い勝手が悪い? 他のインスタンスで実装されている機能が無い? それなら、他のインスタンスへ引っ越せばいいのです。

引っ越しは、新しいインスタンスにアカウントを作り、フォローのリストをエクスポート・インポートすれば完了です。メールなら、「メールアドレスを変更しました!」というメールを一斉送信する必要がありますが、マストドンは、フォローした時点で通知が相手へ届きますので、それで充分でしょう。「引っ越しました」というトゥートをしておけば尚OK。

その昔、個人サイト全盛の頃、ネット上の友人同士の連絡は、フリーメールを使うのが主流でした。マストドンは、そういうフリーメールがSNS並に使いやすくなったものと考えてもいいかも知れません。

*1:より正確には、SMTPに対するPostfixなどの関係が、ActivityPubに対するMastodonの関係と似ています。

*2:今のところ目立った問題は発生していませんが、あまりにバージョンアップが遅延すると、セキュリティー的なリスクが発生する可能性があります。また、運営に対するモチベーションが低下してる可能性も考えられるため、バージョンアップの遅れは、インスタンスの健全性に対する黄色信号だと考えて良いと思います。