荒野のコトブキ飛行隊はいいぞ!
……というわけで、この前の記事でも書きましたが、今期は荒野のコトブキ飛行隊にハマってます。何度ループしたことか。
前の記事で予告した通り、各話のレビューをしていきたいと思います。
第1話:月夜の用心棒
まるでパイロットムービーです。良い意味で。ニコ動では、この回だけ無料公開なのですが、これ単体でも充分楽しめそうです。ガルパンでは本格的に戦車戦するまで第3話辺りまで待たないといけなかったですが、コトブキは第1話から本格的に空中戦してくれます。
本当は、一瞬一瞬、スクショでも撮って色々述べていきたい所なんですが、それも大変なので、一番気になった所をひとつ。
「照射方位は340度。本船から2時の方向。この方位に大型船の反応はありませんが、不明機、高速で接近中。高度600クーリル」
「雲底は450クーリル。風向き280度。風速4.5クーリル。本船の現在位置はA-E、145度54分。M-B、30度17分」
「燃料残量は?」
「4107ボットルです」
「航行可能距離は現在の速度で695キロ」
「結論、回避なんて絶対不可能」
「不明機の速度は?」
「不明機の速度は165キロ」
「この高度だとゼロぐらい?」
こういう会話、わくわくしますね。そして、単位系から、明らかに史実世界ではないことがわかります。
ゼロ戦の巡航高度がだいたい3000メートルだったはずなので、「クーリル」はメートルともフィートとも違うみたいです。仮に600クーリルが3000メートルで対数とかでなければ、1クーリルは約5メートルということになります*1。
1クーリル=5メートルだとすると、雲底450クーリルは2250メートル。おぼろ雲とかひつじ雲なんかが正にこの辺りの高度ですわね。けど、雲の上で戦闘してますし、空中戦の後半でキリエが地面にぶつかりそうになるのとか見てると、なんか違う気がする。これ、雲底じゃなくて雲頂の間違いじゃないかなぁ。そしたら、下層雲でそれっぽいんだけど*2。
不明機(ゼロ戦)の速度は165キロ。これをクーリルとして、メートル換算すると825キロメートル。んなアホな。ゼロ戦の最高速度は288ノットなので、これは165ノットって辺りかなぁ。
航行可能距離も、695キロを5倍にしちゃうと3475キロメートルになってしまい、余裕で回避できそうじゃんって感じに。これも多分、なにか別の単位系なんだろうなぁ。
ちなみに、座標は地球のものだと北太平洋のド真ん中です。
このシーン、操舵を2人でやってるのに速度指示器には誰も居ません。どういう仕組みなんでしょう? 水素ごときではこんな怪物飛ばせないと思うので、きっと、この世界特有の何かで飛んでるんでしょうね。
本編ではないですが、公式Web番組「コトブキ通信」内のコーナー「ナツオ整備班長の戦闘機講座」で、こんなやり取りがありました。
ナツオ「空母ってのは、そもそも羽衣丸のようにバカでかい船じゃない。200メートルやそこらの船から飛び立ってまた着艦せにゃならん。しかも海の上だから飛行機から見りゃ止まってるみたいなもんだ。羽衣丸みたいに対気速度の高い船に降りるのとは訳が違う」
キリエ「止まってる船に降りるの?」
ナツオ「一応風上に向かって全速力で航行するけど羽衣丸ほど速くはない」
チカ「それって飛行場に降りるのとあんま変わんないじゃん。200メートルで止まるとか無理無理」
なるほどね。羽衣丸は相当の対気速度があって、それを前提に離着艦してるわけだ。てことは、羽衣丸のエンジンを全て攻撃して破壊してしまえば、戦闘機は離着艦できなくなりますね。……そらエンジンを攻撃するわけだ。
あと、このやり取りを前提に考えると、対気速度コミで隼が離着艦できる滑走距離を計算すれば、羽衣丸の大きさも算出できそう。
……これ、考察班は、Web番組の方もチェックしないといかんですね。こうやってさらっと重要な情報を出してくる。
第2話:さすらいの6人
今回、航空戦はちょっとよくわからなかったのですが、ストーリーが進んで、世界観の説明も増えてきましたね。
なんだか、ポストアポカリプスっぽい感じも受けます。短期間で廃墟になってしまった街、将来への不安、ならず者の台頭……。一体何があったのでしょう。飛行船の登場で、街道宿場町的な街が素通りされるようになり廃れていったとか、そんな感じでしょうか。「ユーハングの工廠跡」「ユーハングの置き土産」っていうのも気になります。
MBSにて第2話をご覧になっていただいた皆様、ありがとうございました!ユーリアはかなり強烈なキャラクターでしたね。そして、気になるワードも多く出てきました。何度も出てきた「ユーハング」については今後もご注目…! #コトブキ (P有澤) pic.twitter.com/XE2mZyuyRX
— TVアニメ『荒野のコトブキ飛行隊』公式 (@kotobuki_PR) January 22, 2019
で、そんなことは割とどうでもよくて、やっぱりメインは、マダム・ルゥルゥとユーリアの関係でしょう。この2人、幼稚園からの幼馴染らしいですが、一体どういう関係なんでしょうね。私、気になります。
ルゥルゥの彼氏を横取りして捨てていたというユーリアですけど、これはまあ、「悪い虫」を追っ払ってたんでしょうね。その時に「私、あんたのこと嫌いだから」とか言ってたんでしょう。あの辺りのやり取り、彼女ら自身にしか通じない、一種の符号のような感じもしますよね。
今回は、なぜルゥルゥに乗せて貰ったんでしょうね。襲われることは予想してたみたいですし、1飛行隊6機には荷が重い敵だとわかっていたようです。襲わせて、自分が用意した飛行隊に追い払わせて、ルゥルゥに恩を売りたかった?
レオナとザラはなんか百合夫婦みたいですが、ルゥルゥとユーリアは、離婚した百合夫婦みたいな感じもしますね。
第3話:ラハマの長い日
「じゃまでーす」←すき
まさかの初っ端下着。そして「昨日は私が引き上げた後もずいぶんやってた(意味深)」。やザエな*3。レオナとザラは、もう、百合夫婦ですな。で、長女エンマ、次女キリエ、三女チカって感じ。ケイトは……今の所無機質的すぎてよくわからん。
エリート興業は、なかなか愉快な敵キャラですね。犯罪組織が建前上会社を名乗るというのは、そう珍しい話ではないと思います。しかし、社歌まで作っちゃってまあ……。これ絶対、サントラに入るんだろうなぁ。
「かつてユーハングが持ち込んだ」浮世絵なんてのも出てきましたが、ほんと、ユーハングとは一体……。
そして、やったやった。九五式だ。第1話にもちょこっと出てましたけどね。こういうアニメが作れる時代なんだったら、そろそろ撃墜魔女ヒミカをアニメ化して欲しい。
エンマは、第1話の最後の方で、没落貴族っぽい感じでしたが、どうも、その没落は空賊が原因のようですね。脅され脅されで全財産失ったとか、そういう感じなのでしょうか。
3話と4話は完全に続きモノなので、できるなら一気に見た方が良さそうです。
第4話:エリート砦
まさかの「飛行機サーの姫」登場。髪の毛ピンク色でしたが、これは、ギャルゲヒロイン的な人物って意味合いですかね。
そして、エリート興業、「会社ごっこをやってるバカ」扱いは草。なんというか、彼ら、「紅の豚」に出てくるマンマユート団みたいですよね。さらに、絵を売りつけてたのが、犯罪目的というか、本当に絵を売りたかった(広めたかった)だけとは。
彼女と社長の関係って何なんでしょうね。最初一瞬、絵を描かせるために監禁してるのかなって思いましたが、違いますねこれ。愛人や夫婦だとすると一気に漂う犯罪臭。親娘だったりしてね。
今回のキーワードはザラの「昔、ちょっとね」でしたね。
- 「空の駅」で働いていた(そこでレオナと知り合った)
- 飲食店勤務経験あり?
- 踊り子の経験あり?
- 芸術(絵画・浮世絵)にも精通
- 敵地潜入もなんか手馴れてる
- 拳銃持った男3人相手に、女の子1人を守りつつ圧倒
……どんな「昔」やねん……。元特殊工作員とか、そんなのでも驚かないぞ……。
「姐さん」ですが、浮世絵に影響を受けた絵師さんだったよう。……女体化ゴッホかな? ザラが指摘したように、浮世絵って、見たもの見たままではなく、見たものから受ける印象を誇張して描くので、浮世絵調で写実的なものを描いてしまうと、「コレジャナイ」ってなるんですよね。もしかしたら、ゴッホとかも、生前そういう評価を受けていたのかも。いずれにせよ、再登場希望。できれば、コトブキ飛行隊がピンチに陥ってる時に、
姐さん「助けに来た」
社長「この前の借りを返しにきたぜー!」
とか言って、エリート興業の社歌流しながら突撃してくる展開とか良さそう。で、姐さんに撃墜される人事部長。
姐さん、途中までは、「これ、ザラに惚れて、一緒に私も連れて行ってみたいな感じの展開かなぁ」と思ったんですがね。まあ、ザラはレオナの嫁だからね。仕方ないね。
そういう百合豚的には、今回、チカの好物がカレーうどんだったってのが判明したのは、非常に大きいですよ。ええ。第2話、ホットケーキとカレーうどんで「甘い辛い甘い辛いエンドレス」やってたキリエは、これもう、デキてますわ。キマシタワーですわ。
考察的には、「エリート興業よりヤバいやつら」が居るようです。人事部長を裏切らせた黒幕かな? ユーリアの言ってたナントカ連合とかいうやつと関係があるんでしょうかね。
あと、重さの単位として、「パウンド」が出てきました。ヤーポン法の「ポンド」ですが、この場合はpoundで英語のよう。西部劇風の世界観には合っていますが、はたして定義も同じなのでしょうか。そもそも実際のパウンドも、時代や国によって定義がまちまちですし……。
第1話~第4話を通じて
今期、かぐや様は告らせたいの第3話EDやケムリクサなど、何気に良作が揃ってます。その中、コトブキ飛行隊は、ニコ動では第2話以降有料で、いまいちバズりにくく残念ではあるのですが、だからこそ声を大にして言いたい。このアニメ、空戦シーンだけでも見るべきです。
第1話の空戦シーンでぐっとなったなら、とりあえず第4話まで見てください。第2話や第3話の前半はちょっと物足りないかもですが、それ以外はサイコーにクールです。
ガルパンは、古き良きスポ根モノに女の子と戦車とをブッ込んだ感じでしたが、今回は、西部劇に女の子と戦闘機とをブッ込んでます。
この手の作品の場合、女の子がやたら沢山登場するような感じになってしまいがちですが、コトブキの場合は、きちんと大人のお兄さんやらおっさんやら爺さんやらが出てきます。この点もGood。……思えば、ガルパンでもいい感じのおっさんが沢山出てましたね。
ストーリー的にも、設定的にも、安心して見ることができます。その点は、ガルパンと同様の安心感があります。今回もきちんと詰められているよう。
というわけで、繰り返しになりますが、もしまだ見てないという人は、ニコ動で無料公開されてる第1話をぜひご覧ください。できれば、イヤホンか音質の良いスピーカーで。