海ミハ車両区

宮原太聖(Miha)の雑記帳。おおむね週1回更新でした。当面(記事がある程度貯まるまで)はおおむね月1回の更新です。

マストドンでトラブルに巻き込まれないために

ブログデザインを変更しました。

 

さて、マストドンが生まれて2年が過ぎようとしています。

日本では2017年4月から急速にユーザー数を増やし、その後も、Twitterで何かトラブルが発生する度に、多くのユーザーがTwitterからマストドンへと流れてきました。

人が増えると、当然、色々な問題も発生します。マストドンは無菌室ではありません。あなたと相容れない人も居るでしょう。荒らしも居るでしょう。犯罪者だって居るでしょう。

マストドンでトラブルに巻き込まれた時、あなたが取ることのできるお手軽な対処法を解説します。

 

 

 

1.相手からの見え方について考える

喧嘩というのは、相手が居て初めて発生するものです。いわゆる「クソリプ」も、相手と自分とで、自身の考えや伝えたいことが上手く相手に伝わらなかったり、本来伝えたかった相手以外の人にまで届いてしまった場合に、よく発生します。

相手のことを考え、事前に対策を取ることで、ある程度トラブルを予防できます。

1-1.インターネットを使って情報を発信する、ということ。

あなたは、今、インターネットを使っています。インターネットというものは、そもそも、世界中の多種多様な個人や企業のコンピューターを互いに繋げたネットワークです。あなたも、その世界的な繋がりの一部なのです。

これは、Twitterとかマストドンとかに限定しない話です。インターネットは、世界中のありとあらゆるコンピューターと繋がっています。ということは、あなたが発信した情報は、世界中のあらゆる人が見る可能性があるのです。

あなたが書いたツイットなりトゥートなりを読む人は、もしかしたら、隣に住んでるおっさんかも知れません。あるいは、中国人かも知れません。アメリカ人かも知れません。南アフリカから見ているかも知れません。また、あなたに好意を持っている人かも知れませんし、敵意や害意を持っている人かも知れません。あるいは無関心かも知れません。

 

相手は、あなたとは違うのです。考え方も、背後関係も、好き嫌いも、なにもかも。

 

ツイットあるいはトゥートのボタンをクリックする前に、今、投稿しようとしている内容を本当に全世界に発信していいのか、冷静に考えてみてください。

 

1-2.公開範囲を選択しましょう。

 Twitterは、いわゆる「鍵垢」にして、フォロワー以外自分のツイットを見れないようにしてフォローも許可制にしてしまうか、さもなくば、Twitterユーザー以外も見れるような状態にするかの二択しかありません。ダイレクトメール(DM)を含めれば三択でしょうか。

 

 マストドンの場合は、トゥート毎に、公開範囲を細かく設定できます。

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「公開」は、可能な限りありとあらゆる所まで飛んでいくトゥートです。

トゥートした瞬間に、自分のフォロワーのホームTL、自分が所属するインスタンスのローカルタイムライン(LTL)、連合タイムライン(FTL)、フォロワーの所属するFTLへ流れます。

また、ブーストが行われると、ブーストをした人のフォロワーのホームTLと所属するインスタンスFTLにも流れます。Favをしても、Favした人が所属するインスタンスFTLに流れます。

もちろん、Googleなどの検索エンジンで検索を掛ければ、普通に出てきます(検索除けの設定をしていなければ)。

 

「未収載」は、「公開」より、少しだけ範囲が限定されます。「未収載」でトゥートすると、LTLやFTLには表示されません。ブーストやFavはできますが、ブーストやFavを行った結果としてFTLに載ることはありません。

ユーザーページのタイムラインには表示されるので、検索エンジンには引っかかります。

 

「フォロワー限定(旧称・非公開)」は、Twitterの鍵垢と同じような動きをします。「フォロワー限定」でトゥートすると、フォロワーのホームTLでしか表示されません。Favはできますが、ブーストはできません。

また、ユーザーページのタイムラインにも表示されないので、検索エンジンでは引っかかりません。

 

「ダイレクト」は、指定した相手にしか見えないトゥートです。TwitterのDM相当です。自分しか見ないメモにも使えます。

 

1-3.鍵垢設定をする際の注意点

Twitterは、鍵垢か鍵垢ではないかという二択という大雑把な形でしか設定ができません。

しかし、実際には、「フォローは許可制にしたいけど、ツイットは全公開でいい」「フォローは自由でいいけど、ツイットはフォロワーだけに見せたい」「基本は鍵垢にしたいけど、時々フォロワー以外にも見せたいツイットもする」など、細かいニーズがあるかと思います。

マストドンは、そういう細かいニーズに応えます。

 

1-3-1.デフォルトの公開設定

トゥート毎に、公開範囲を細かく設定できることは、既に説明しました。

「ユーザー設定」から、デフォルトでの公開範囲を設定できます。

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トゥート欄の上にあるアイコンのうち、歯車型のアイコン(この画像で右から2番目にあるもの)をクリックしてください。

 

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「ユーザー設定」の中の方に「投稿の公開範囲」というものがあります。ここで、デフォルトの公開範囲を設定できます。あくまでデフォルトのというだけなので、ここでたとえば「フォロワー限定」に設定したとしても、実際の投稿時に、「このトゥートだけ公開で投稿しようっと」ということもできます。

また、すぐ下には、「検索エンジンによるインデックスを拒否する」という項目があります。もし、検索除けをしたいのでしたら、これにチェックを入れましょう。

「繋がりを隠す」という項目もあります。これにチェックを付けると、プロフィールから、あなたが誰をフォローしてて誰からフォローされてるかという情報が見えなくなります。

設定が終わったら、ユーザー設定ページの一番下にある「変更を保存」をクリックしましょう。

 

1-3-2.フォローを承認制にする

フォローを承認制にするには、同じく「設定」の「プロフィールの編集」という所から設定します。

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 アイコンなどを設定する所の下に「承認制アカウントにする」という項目があります。これにチェックを入れて、ページ下にある「変更を保存」をクリック。これだけでOKです。

先にも述べましたが、マストドンの「鍵垢」は、フォローを承認制にするというだけです。公開範囲の設定とは別です。

nagiept.hatenablog.com

 

2.自分の見える「世界」を変える

自分がどれだけ気を使ったとしても、相手も同様に気を使ってくれるとは限りません。むしろ、自分にとって不利益でイラつく行動を取る相手は、本人としてはあなたに気を使った結果、そういう行動を取っているのかも知れません。

互いに気を使った結果、互いにとって不利益な状況になることも珍しくありません。

嘆いてはいけません。世界とは、そういうものです。

 

世界そのものを変えることは、おいそれとはできません。しかし、世界の見え方、つまり、あなたにとっての世界は、変えることができます。そう、マストドンだったらね!

 

2-1.ミュートの活用

LTLを見ていると、たまに、高頻度でくだらなことばかりをトゥートして、見苦しいというか、目に余るというか、ウザいというか、そういう人に遭遇することがあります。ユーザー数の多いインスタンスほど、それが顕著です。

そういう時、不快感を表明するのは、賢い選択ではありません。あなたが不快に思っているそのトゥートは、他の誰かにとっては愉快かも知れません。同様に、あなたが愉快に思うトゥートは、誰かにとっては不快かも知れません。それは、お互い様なのです。 

 

そこで登場するのが「ミュート」。これを行うと、TLにそのユーザーが表示されなくなります。

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トゥート右下の「…」といった形のアイコンをクリックすると、トゥートに関するメニューが表示されます。

この中から、「(相手ID)さんをミュート」を選択します。

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確認画面が出ます。「このユーザーからの通知を隠しますか」をオンにすると、相手が自分のトゥートをブースト・Favしたといった通知もミュートされます。

 

2-2.ブロックの活用

ミュートは、相手のトゥートが自分には見えなくなるというだけです。相手からは自分のトゥートは見えますし、なんならリプも飛ばすことができます。

相手からも自分のトゥートを見て欲しくない、反応して欲しくないという時には、ブロックを使います。

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 やり方は、さっきのメニューから「(相手ID)さんをブロック」を選択するだけ。

 

Twitterでは、ミュートやブロックを忌避するような文化がありますが、マストドンは違います。

むしろ、適切にミュートやブロックを行うことで、無用なぶつかり合いや炎上を未然に防ぐことができます。

自分が「あっ。こいつ、生理的に無理だわ」って思っている場合、大抵は相手も同様のことを思っています。そこで気付いた方が先にブロックし相手との接点を消すことで、将来発生する可能性のある衝突のリスクを減らすというわけです。

また、自分にとって不快なトゥートであっても、あなたには、そのトゥートを規制する権利はありません。言論の自由とは、そういうものです。ですが、精神安定上、あなたにとって不快なトゥートを、あなたがわざわざ見る必要もありません。

そういった意味では、ミュート・ブロックは、むしろ、相手の存在を認めるもので、優しさであるといえます。

 

2-3.通報について

よく、マストドンは無法地帯で何言っても凍結されないし逮捕されないなどと誤解をしている人がいます。しかし、それは違います。

マストドンインスタンスによって管理者が異なります。各インスタンスには各管理者のルールが適用されます。それぞれの国の法律と、それぞれのインスタンスに設けられたルールの範囲内では自由ではありますが、当然、そのルールを破った場合には、ペナルティーが発生します。

たとえば、執拗にセクハラまがいのリプを送っている、インスタンスのルールに反している、犯罪予告してる、明らかな違法行為である……といった場合には、通報を行ってください。

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トゥート右下の「…」みたいなアイコンをクリックし、「(ユーザーID)さんを通報」を選択します。

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通報フォームが出ますので、通報したいトゥートを選択して「通報する」をクリック。

この例の場合、「mstdn.jpに転送する」という項目があります。これは、他のインスタンスのユーザーである場合に表示されます。「お前のインスタンスに所属してるユーザーで迷惑な奴が居るんだけど。なんとかして」って時にはオンにしてください。インスタンスのルールに反してる程度であればオフのままでいいでしょう。

 

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ちなみに、通報を受けた管理者には、こんな感じで表示されています。

通報者が誰で、今まで何件通報しているのかもわかりますから、むやみやたらに通報しているとバレます。

 

鯖缶インスタンス管理者)向けの蛇足なんですが、通報のUI見てて改めて思ったんですけど、こういう削除関係の仕組み、複数人で運営するのを前提にしてる感じしますよね。

中規模以上のインスタンスであれば、積極的に削除人を設置して複数人で運営した方が良さそうな感じします。

 

4.引っ越すという選択肢

マストドンインスタンスは、それぞれ、異なる管理者に運営されています。

ユーザーは、信頼できる管理者のインスタンスにアカウントを作ることになるわけですが、使っていく内にこんなはずではなかったとか、管理者が信用できなくなったということもあるでしょう。

また、単純に、LTLの流れが気に食わない、こんな奴と同じインスタンスに居たくない、なんてこともあるかと思います。

そんな時、あなたには究極の手段が用意されています。そう、インスタンスを引っ越せばいいんです。 

 

4-1.マストドンからマストドンへ引っ越す

マストドンからマストドンへは、極めて簡単に引っ越すことができます。

マストドンは、フォロー、ミュート、ブロックの一覧をエクスポート(ダウンロード)できます。そして、手に入れたファイルを新しいアカウントに入れる(インポートする)こともできます。

 

やり方は簡単。

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トゥート欄の上にあるアイコン群のうち歯車型のアイコンをクリックし、設定画面を表示させます。

 

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続いて「データのエクスポート」をクリックします。各一覧をダウンロードします。

ファイルは、普通のCSVファイルです。ですから、作ろうと思えば、手動で作ることもできます。

 

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そして、新しいアカウントの設定画面を開き、「データのインポート」を選択します。

「インポートする項目」を選択し、「ファイルを選択」から、ダウンロードしたファイルを選択します。

今一度、「インポートする項目」とファイルは間違っていないか、確認をしてください。ここが間違っていると、ブロックしたい人をまとめてフォローしてしまうかも知れませんし、フォローしたい人をまとめてブロックしてしまうかも。

「アップロード」を選択すると、完了です。

インスタンスによっては、反映まで時間が掛かることがあります。もしどうしてもダメそうなら、管理者に問い合わせてください。

 

自分がフォローしている相手には、「新しいフォロー」という形で相手へ通知が行きます。

フォロワーには通知は行きません。ですから、トゥートするなどして告知する必要があります。

あるいは、「引っ越しアカウント」の設定をすることもできます。

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「ユーザー設定」の一番下に、「別アカウントに引っ越す」という項目があります。これを設定することで、「このユーザーは引っ越しました」という表示にすることができ、新規のフォローをブロックすることができます。

 

しばらく経ち、フォロワーへの周知も終わったかなと思ったら、アカウントを削除するといいかも知れません。

一部のインスタンス(とくに古いインスタンス)には削除の機能がありませんが、多くのインスタンスにはあります。

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設定の「セキュリティー」の一番下に「アカウントの削除」というものがあります。ここから手続きを行うことで、アカウントの削除をします。

 

4-2.マストドンから他のSNSへ引っ越す

マストドンには、ActivityPubという規格が使われています。同様に、ActivityPubを使っているSNS(PleromaやMisskeyなど)であれば、相互にフォローなどを行うことができます。

Twitterからマストドンへ移った際、「Twitterでフォローしてる人が居ないと寂しいな」とか「Twitterのフォロワー、どうしよう」とか思ったかも知れません。マストドン……というか、ActivityPubなら、その心配はありません。

むしろ、「フォロワーが(あるいは、フォローしたい人が)Twitterに残ったままだから、マストドンなんて使えない」と思っている人こそ、ActivityPubへ移行すべきです。ActivityPubはそういう問題を解決するための規格なんですから。

ただ、マストドン以外のSNSは、必ずしもマストドンのようにフォローのインポート・エクスポートに対応しているわけではありません。ですから、手動でフォローする必要があるかも知れません。

 

単純に、「使ってみたけど、マストドンのUI、なんか合わんわ」という人も、PleromaやMisskeyなどのActivityPub対応SNSをぜひ試してみてください。とくにPleromaは、Twitterに似たUIですから、取っつきやすいかと思います。