海ミハ車両区

宮原太聖(Miha)の雑記帳。おおむね週1回更新でした。当面(記事がある程度貯まるまで)はおおむね月1回の更新です。

ポケカはいいぞ!

miha.hateblo.jp

 

去年、半世紀ぶりにポケカに復帰しました。全てはマスカーニャを使うために。

本格的に復帰してからそろそろ2年になろうとしているのですが、結論からいいましょう。今こそポケカ、始め時です。

 

 

 

いきなりエクストラに行ってしまった話

私がポケモンカードゲームを始めた(復帰した)時、最初に握ったデッキは、「ニャオハ&ルカリオex」でした。

より正確には、事前にルールを学ぶためにスタートデッキ100ファミリーポケモンカードゲームも買っていたのですが、あくまでこれらは、ルールを学ぶために買ったものだったので、これを使ってがっつり遊ぶことはあまり考えていませんでした。

さて、ポケカに限らず、TCGを楽しむには、対戦相手が必要です。幸いなことに、ポケモンカードの場合は、「ジム」と呼ばれる公認イベントを開催するカードショップ等が沢山あり、各所、わりと高頻度に対戦イベントを開催しています。

私もちょっと参加してみようと思い、公式サイトからイベント検索をして、近所のカードショップで開催されるイベントに参加してみました。

……問題は、それが「エクストラバトルの日」という、「エクストラレギュレーション」のイベントだったこと、そして、その時に持って行ったデッキは、「ニャオハ&ルカリオex」ほぼそのままのデッキだった事でした。

 

一体何が問題だったのかを説明するために、まず、「レギュレーション」というものについて説明させてください。

ポケモンカードの左下には、発売された時期ごとに「レギュレーションマーク」というものが付いています。大雑把に、2017年頃に発売されたカードがA、以降毎年B、C、D……と変わっていきます。

ポケモンカードのルールの中で一番標準的な「スタンダードレギュレーション」では、現在、レギュレーションマークがF、G、Hのものしか使えない事になっています。この使えるカードというのは毎年1月頃に変更されるのが通例で、おおむね、発売から2年以上経過したカードは、スタンダードレギュレーションでは使えなくなっちゃうんです。これを「レギュ落ち」ないし「スタン落ち」といいます。

もちろん、「博士の研究」や「ボスの指令」などの対戦でよく使われるカードは例外的にずっと使えるようにしていますし、過去のカードが新しいレギュレーションマークを付けて再度登場した際には、古いレギュレーションマークのものも使えるようになるなどの配慮もされています。

レギュレーション | ポケモンカードゲーム公式ホームページ

 

せっかく買ったカードが数年で使えなくなっちゃうというのは、とてももったいないように感じられます。しかし、定期的に古いカードを使えなくすることで、初心者は古いカードを集める苦労をする必要がなくなります。

また、古いカードは完全に使えなくなるわけではありません。ちょっと古いカードも使えるルール「エクストラレギュレーション」というものもあるんです。

レギュレーション | ポケモンカードゲーム公式ホームページ

古いカードの中には、調整が不十分だったのか、今の感覚では考えられないような強い効果を持ったカードがあったり、あるいは、比較的新しいカードと組み合わせると、とんでもなく強くなってしまったカードなども混ざっています。あまりに度が過ぎるものは禁止カードになっていますけど。

……そんな魔境みたいな所に、初心者が、初心者向けのデッキを持ってやって来てしまったんですな。まあ、勝てるわけがない。

もちろん、対戦相手の方々は、(一部のとてもシャイな方を除いて)多くの場合は優しく接してくださって、事情を説明すると「あー、そりゃあ無理だよ」と納得してくださったりアドバイスをくださったりしました。

そういう事があったというのも理由ではあるのですが、勝てなくても楽しかったんですよね。こっちのターンは一瞬で終わるんですが、相手方は延々とカードの色々な効果を使って盤面を展開させていって、手品のようにカードが行き来するのを見て、ああこれは楽しいなぁって思ったんです。

 

使い物にならない「初心者向け」デッキ

さて、そんなわけでエクストラデッキにボコボコにされた「ニャオハ&ルカリオex」デッキですが、そもそも現在まともに戦えるようなデッキ構成になっていません。

そもそも、複数のエネルギーを使うデッキは、初心者にはとても難しいと思います。その難しさを無理やり解決させるためにエネルギーカードがかなり多く入っており、結果として、肝心のポケモンやトレーナーズを引くことができません。

初心者向けというよりは、小学生が最初に手に取って少しずつルールを覚えていくための商品といった感じで、おそらくコンセプトとしては、現在の「バトルアカデミー」に近いものだと考えた方がいいでしょう。

このデッキを足掛かりにして、自分だけのデッキに改造していけるのであれば、まだ評価はできるのですが、正直、そこまで良いカードが入っていません。ネストボール、ハイパーボール、ポケギア、ポケモンいれかえ、博士の研究が入っているのは嬉しいのですが、逆に言えばそれだけです。残り半分ぐらいはカードケースの肥やしになる運命しか待っていません。

*1

マスカーニャルカリオexは、とくに使い道がわかりません。もっとポケカに慣れてきたら使い道がわかるようになるのでしょうか……。

このデッキをベースに、オリジナルのデッキを組むこともできなくはないでしょうが、おそらくは、テセウスの船になるでしょう。

 

あと、このデッキには、ポケモンコインとダメージカウンター、プレイマットが付いてきます。プレイマットは紙製で、よほどルールを覚えた後であれば使う価値無いです。

ポケモンコインは問題なく使えます。普通のポケモンコインで、ある意味、このデッキの中で一番価値が高いものです。判定をコインサイコロを使って行う人であっても、特性などをもう使ったか否かの目印にも使えるので、沢山あっても損はないと思います。

 

一方で、ダメカン。これはいただけない。通称「紙ダメカン」なのですが、本当に「紙」です。強度こそそれなりにありますが、厚みが0.5mmほどしかありません。

載せたり除けたりするのが物凄く手間です。はっきり言って、使い物になりません。今は、アクリルダメカン&ケースセットというものが公式に出ていて入手もしやすいですから、それを買った方がよほどいいです。

 

ありがとうYouTube

結局、「ニャオハ&ルカリオex」をベースに、自分オリジナルのデッキを組むことは、できませんでした。60枚のカードの束なら作ることはできるのですが、どうやってもジムイベントで善戦することすらできません。

そこで、もう、自分でデッキを考えることを一旦放棄することにしました。頼ったのは、YouTube

YouTubeには、色々なポケカユーザーが考えた面白いデッキが沢山アップされています。「ポケカ (好きなポケモン or そのポケモンの最終進化)」で検索をかければ、大抵は色々出てくるはずです。

けっこう無理やり作られているものも少なくないですが、それでも、「ニャオハ&ルカリオex」のデッキや、その他の初心者向けデッキ等よりは大分マシです。

あるいは、ポケカ公式サイトに、大会で優勝したデッキのレシピが公開されていますから、大会でバリバリに活躍しているデッキ(いわゆる「環境デッキ」)に抵抗がないなら、それでもいいと思います。

私は、あまり環境デッキを使いたくない逆張りオタクなので、YouTubeのデッキレシピに頼りまくる事にしました。何度か使ってみると、段々と「回る」という状況がわかるようになってきました。

更に慣れてくると、デッキの中に入っているカードが、それぞれどういう効果を期待して入っているのかもわかるようになって、中身を自分好みに少し弄れるようにもなってきました。

YouTube上にアップされているデッキレシピの中には、今はもうレギュ落ちしたカードや、上位互換的なものが最近になって出たカードもあります。そういった際に、直近の状況に合わせてある程度地力で調整もできるようになりました。

 

なんで私の時に「バトルマスターデッキ」が無かったんだ……!

www.pokemon-card.com

そんな折に発売されたのが、この商品。テラスタルリザードンexデッキにしてもパオジアンexデッキにしても、ほんの少し前の大会では必ず上位に入っていました。最近はドラパルトexが幅を利かせていますから、以前ほどの勢いはありませんが、それでも、強いカードであることには変わりありません。

デッキに入っているカードも、とても優秀です。私が購入したのは、リザードンexの方なのですが、使えないカード*2といえば、ファイヤーとエンテイぐらいです。で、こんななぜ入っているかわからないカードがあっても、リザードンexは充分強いです。

リザードンは2進化のポケモンですから、同様に2進化のポケモン(たとえばマスカーニャexとか)に入れ替えてエネルギーを揃えてあげるだけで、とりあえずお手軽に好みのポケモンのデッキに改造することもできます。

また、リザードンexは、ジムバトルでもよく見るポケモンではあるので、一人回し(デッキを2つ使って自分 vs 自分で戦わせてみるなど、独りでデッキを動かしてみること)の相手役としても丁度いいと思います。

 

また、このデッキにも、ポケモンコインと紙ダメカン、紙のプレイマットが付いています。紙のプレイマットは「もしこれがラバーマットだったらなぁ」って思えるようなイラストではあるのですが、所詮は紙。使い続けるのはちょっと難しいかなと思います。

ですが、

見てくださいよ、これ。このデッキの紙ダメカンは、他の「初心者向けデッキ」に入っている紙ダメカンと比べてなんと4倍ぐらいの厚みがあります。これぐらいあれば、指でつまんで移動させやすいです。

もうこれをデフォルトスタンダードにしてくれないかなぁ。これなら、アクリルダメカンを買わなくても、とりあえずは、なんとかなります。

このほか、デッキシールドやVSTARマーカーも付いています。デッキ自体の強さも相まって、もうこの商品を買ってそのままジムバトルに飛び入りすることだってできてしまいます*3

とくにVSTARマーカーは、時期的に、下手すると新品で入手できる最後のチャンスになると思います*4ので、そういう意味でもけっこう貴重な商品です。

 

バトルマスターデッキ」は買うな?!

バトルマスターデッキに関する評判を見ていると、多くの場合は「これからポケカを始めるのに丁度いい」などのオススメする評価がある一方で、「期待外れ」「買う必要ない」「がっかり」「オススメできない」といった意見も見られます。

ネガティブな意見を大きく分けると、「そんなに強くない」「レギュ落ちが近いカードが多い」という2点かと思います。

名前負けしてる?

はっきり言うと、このデッキは、「バトルマスターデッキ」という名前の割には弱いです。

今年(2024年)から、スタンダードレギュレーションに「ACE SPECK」カードが復活しました。エーススペックというのは、デッキの中に1枚しか入れることのできないトレーナーズのカードで、枚数の制限がある代わりにとても強い効果をしています。

また、1月26日に発売された拡張パック「ワイルドフォース」に収録されている「なかよしポフィン」というカードがあり、大抵のデッキには4枚入っているぐらいに、最近とても評価されているカードです。

残念なことに、「バトルマスターデッキ」には、ACE SPECKのカードが何も入っていない上に、「なかよしポフィン」も1枚も入っていません

そのほか、とくにリザードンexのデッキはやや中途半端な作りになっていますし、そもそも最近の対戦環境では、ドラパルトexが猛威を振るっています。ですから、たとえば、「バトルマスターデッキ」そのままで、トレーナーズリーグやシティリーグに参加するというのは、なかなか厳しい事になるんじゃないかなぁと想像されます(そもそも参加した事ないからわからんけど)。

しかし、ジムバトルでは充分な性能だと思います。少なくとも、他の初心者向けデッキ(「ニャオハ&ルカリオex」とか)と比べると、遥かに良いです。正直、この「バトルマスターデッキ」こそ、本当に「初心者向けデッキ」だと思います。これを「初心者向けデッキ」の標準にして欲しい。

1月に発売されていたスターターデッキ&ビルドセットの方が、おおむね同じぐらいの値段のうえに収録カードの種類も量も豊富です。しかし、豊富すぎて、どういう風に改造すればいいのか、初心者にはわかりにくいんじゃないかと思います。

その点、バトルマスターデッキは、一旦はデッキとしてある程度完成されていますから、ギミックやコンボがちゃんと機能する、デッキが「回る」経験をしやすいです。とくに、ポケカのデッキで必須の「エネ加速」「ドローサポート」等の「システムポケモン」の概念を理解できるのは強いです。

また、もしこれで本当にもっとガチなデッキを最初からお出ししようとすると、ロトムVとかポケストップとかのFレギュのカードを増やすことになるので、この後語る「レギュ落ち問題」をより深刻化させてしまいます。……そう考えると、やっぱりなかよしポフィンかマスターボールぐらい入ってて欲しかったですけどね。

 

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公式に、改造案がいくつか提示されています。より強くしたいのであれば、こういうのも参考になるでしょう。

 

レギュ落ち問題について

続いて、レギュ落ち問題についても語っていきましょう。

2024年現在、最新のレギュレーションマークはHなのですが、バトルマスターデッキに含まれているカードの多くはGで、それ以外はF。最新のHのカードはありません。このため、このデッキは、とくに手を加えなければ、来年1月頃にスタンダードレギュレーションで使えなくなってしまいます。

とはいえ、少なくともリザードンexで使われているギミックというのは、ポケモンカードでは割とよくあるもののようで、代替となりうるカードは既にある程度存在しています。以下に、リザードンexの中にあるFレギュのカードと代替になりそうなカードを列挙してみます。

  • かがやくリザードン
    • 特性「ろうれんのわざ」の「ガチグマ アカツキex」
  •  「ビッパ」&「ビーダル
    • 代替候補(1):「ブロロン」&特性「ランブルエンジン」の「ブロロローム
    • 代替候補(2):わざ「にぎにぎドロー」の「ピィ」
    • 代替候補(3):特性「リスタート」の「ミュウex」辺り
  • アルセウスV」&「アルセウスVSTAR」
    • 代替候補:わざ「なかまをよぶ」の「ポッポ」&特性「マッハサーチ」の「ピジョットex」
  • 「シロナの覇気」
    • 「メロコ」「ハッサク」「アンフェアスタンプ」などが代替候補になりうるけれど、そもそも効果とデッキのコンセプトとの相性があまり良くないので、単純に外してしまってもOK。
  • ダブルターボエネルギー
    • 「ネオアッパーエネルギー」「リバーサルエネルギー」など。ただし、このデッキの中では主にアルセウス用の採用なので、アルセウスを使わないなら抜いてしまってOK。

ブロロンとブロローム、ピィ、ポッポは、1枚30円とか(ストレージ)で売られている場合がありますから、早めに集めておくといいかもしれません。ピジョットexなど他のカードも、一時期と比べればかなり値段が下がりましたから、これも今の内ですね。

なんなら、現時点で、シロナとファイヤー、エンテイを抜いて代わりにポッポ・ピジョットexを入れてしまっていいと思います。

なお、2016年1月頃には、Gレギュのカードがレギュ落ちすると思われるので、このデッキの主軸であるリザードンexを含むほぼ全てのカード*5がスタンダードレギュレーションで使えなくなってしまいます。

しかしまあ、その頃には、また新しい魅力的なカードが多数出てるでしょうし、もしリザードンex以上にピンと来るポケモンが出なかったとしても、エクストラレギュレーションで遊べばいいだけです。

 

ポケカを始めるなら今!

ちょっと前まで、ポケカといえば、転売ヤーや投機的な売買をやろうとする人達が跋扈する魔境でした。新しいパックが発売されても、ロクに手に入らず、バラ売りの値段もけっこう高騰していました。

ところが、昨年中ごろ、ポケカバブルと呼ばれるような異常なカードの値上がりが止まり、どんどん中古価格が下がるようになってきました。

ここ最近は、一部のカード*6を除いて、大分値段が下がっています。

一時期かなり値上がっていたナンジャモも、コレクション用とかでなければ80円~180円程度で売ってますし、商品によっては新品が定価割れで普通に店頭に並んでいることすら珍しくなくなってきました。

値段が下がって来たということは、ポケカの人気が無くなったのかといえば、そうではありません。私がよく行くカードショップのジムバトルは、いつも定員ギリギリか定員に達して早々に参加受付を終了しているような状態です。私が見ている限りではありますが、年齢層も小学生~高校生ぐらいと、子供と一緒に来ている親御さんとかが中心で、けっこう若めです。

ジムバトルなどのイベントも、各カードショップ、けっこう高頻度(だいたい毎週~隔週程度)で開催していますので、カードショップがそれなりにある地域であれば、対戦相手には事欠かないと思います。なんなら、オンラインでのイベントもありますから、ネット環境さえあれば、ポツンと一軒家からでもポケカ対戦を楽しめます。

 

本当に、なんで私がポケカ始めた時がこんな感じじゃなかったんだろうというぐらい、始めやすい状況になってきています。

ポケモン好きな人、とくに推しポケがいるけどいまいち本編で空気だったり、ゲームの対戦環境で活躍させてあげれていないよという人は、ぜひこれを機にポケカを始めてみてはいかがでしょう。

……マスカーニャ好きなそこのあなた! 一緒に「マスカーニャ立て……!」と祈りながらカードをめくろうぜ!(

*1: 「スターターセットex」|ポケモンカードゲーム公式ホームページ「トレーナーズウェブサイト」 から加筆。

*2:と言っても、他の「初心者向けデッキ」に入ってるものと比べると遥かに強いんですけど。

*3:もちろん、事前にポケカ公式サイトから、プレイヤーズクラブのIDを作っておく必要がありますが。

*4:来年にはVSARパワーを使えるポケモンが全てレギュ落ちするので。

*5:基本炎エネルギーカードは、基本的にレギュレーションと無関係に使い続けられます。また、ハイパーボール、ふしぎなアメポケモンいれかえ、博士の研究、ボスの指令は、新しいレギュレーションでも同名のカードが出続けているので、おそらく同様に使い続けることができると思われます。

*6:なかよしポフィンとか、プライムキャッチャーとか、緑オーガポンとか