海ミハ車両区

宮原太聖(Miha)の雑記帳。おおむね週1回更新でした。当面(記事がある程度貯まるまで)はおおむね月1回の更新です。

ありがとう、ダイハツ ミラバン。

12年近く乗り続けていた、ダイハツ ミラバンを手放すことにしました。

ありがとう、ミラバン。さようなら、ミラバン。

 

 

 

購入の経緯

2010年春、当時大学3年生になった私は、通学の足をどうするか悩んでいました。

大学3年生になると、必要な単位はほぼほぼ取得しており、大学へ行く頻度が落ちます。大学2年生までは、週5日行くこと前提で通学定期を持っていましたが、週3日とかになってくると、通学定期を買うかどうか微妙なラインになってきます。鉄道の定期はともかく、バスの定期が高い。酷く高い。

そもそも田舎では、公共交通で移動するより自動車で移動する方が、圧倒的に早いんです。本数が限られる上に、そもそも路線自体が現在栄えてる地域から大きく外れた場所を通っていたりすることもあって、自動車で移動するより30分~1時間ほど余計に時間が掛かったりします。正直、自動車の運転ができるなら、公共交通なんて使ってられない。

そんなわけで、自動車を買うことで諸々の交通費を節約しようと考えたわけです。

最初、ホンダのカブを買おうかと思っていました。ところが、カブって思ったより高いんですよね。そのうえ、やはり家族が「二輪車は心配だ」と言い始め*1、四輪車にすることに。

で、「カブじゃねぇんだったら、もう何でもいいや」って気持ちになっていた所に目に入ったのが、ダイハツ ミラバンの新古車の広告。

諸経費コミでたしか60万円ぐらいだったかなぁ。

とにかく安くて、そもそも、交通費の節約というのを考えると、そんなに高いものを買うのも本末転倒だし、なんなら2年後大学を卒業して社会人になったら買い替えるかもしれないしなぁ……ってことで、購入を決意しました。軽である上に商用車(貨物)扱いなので、税金やその他維持費も安いというのも、とてもいいなぁって思いました。

……まさか、その後12年間も使い続けることになるとは。

 

シンプルすぎる装備

このダイハツ ミラバン。じつは、曰くつきです。

型式はGBD-L275Vで、2007年発売。グレードはTLという最廉価グレードで、ミッションは3速AT。この時代の車でありながらなんとABSなし。更に商用車らしく手動ウインドウ。極めつけが、このTLというグレード自体が、2010年3月をもって廃止!

つまり、実質新車でありながら、公道に出る前から旧型車になってしまったという、大変残念な車なんです、これ。

 

見てこの安っぽい内装。

タコメーターが無いのは、最後までずっと気になっていました。やっぱりATであってもタコメーターは欲しい。

 

軽トラとかにも装着してあるようなタイプのラジオ。どうせFMトランスミッタースマホの音声を飛ばして流すので、これで充分でした。ただし、スピーカーはお察しで、経年で共振音が耳に障るようになっていきました。

ラジオの下にあるスペースは、単に余った空間って感じではありましたが、モノ入れとしてそれなりに便利でした。

 

一応、低燃費を謳っています。

私の場合、走行方法を色々と研究して、実燃費(満タン法)で21km/Lを叩きだした事があります。夏場はだいたい20~19km/L、冬場は19~18km/Lぐらいでした。

 

現代の感覚からすると、最悪を通り過ごして、非人道的な拷問じみた後部座席。なんといっても硬くて狭い。結局、数えるほどしか使いませんでした。

この車は一応4人乗りではあるのですが、事実上2人乗りで、後部2席は補助席といった感じ。

 

曲がりなりにも商用車ですから、荷室はめちゃくちゃ広いです。

この広さを生かして、粗大ごみの処分や、書籍の輸送などに大活躍しました。

 

問題の、マン・パワーウインドウ。エンジンを掛けていない状態でも窓を開閉できるので、それなりに便利でした。ただ、走行中に助手席の窓を開閉できません。高速乗った後で、「あれ? なんか冷房の効きが悪いな」って思って横見たら窓が少し開いていた時の絶望感よ。

ドアには電装品が一切入っていないため、運転席側と助手席側との間で鍵も連動していません。「しまった! 鍵を閉じ込めてしまった!」……ってなった後で、「あ、そういや助手席側鍵かけ忘れてたわ」で事なきを得た事が何度かありました。

ちなみに、この写真では助手席側のパネルはそれなりに綺麗に嵌っているように見えますが、時間経過で徐々に浮き上がり、最終的には滅茶苦茶隙間が空いた状態になってしまいました。いくら最下層グレードと言っても、これはいかんだろ……。

 

かけがえのない足

大学3年生以降の私の学生生活は、ほぼ、ミラバンと共にありました。

夜遅くまで院生室に残り、帰る時には同級生や後輩、時に先生を助手席に乗せて、大学から駅へと送ってから帰るなんて事もよくやっていました。

私の研究で使う資料のほとんどは、公共交通の便が悪い所に所蔵されていました。そういった資料をかき集めるために、濃尾平野のあちこちを、このミラバンを使って移動して廻りました。

冗談抜きで、もし2010年春に車を買うという選択をしていなければ、私は博士号を取れなかったかもしれません。そういう意味では、とても幸運で、とてもよい選択をしたと思っています。

 

 

全損

2016年11月。資料収集を行った帰り道。右斜め前に、唐突に、黒い物体が飛び出してきました。咄嗟に急ブレーキを掛け、ABSなしなので制動距離自体は短いはずなのですが、それでも間に合わずドカン。

 

飛び出してきたのは、巨大なイノシシでした。衝撃で運転席側の扉は開かなくなり、前面から側面にかけて、ご覧のあり様。

保険会社の判定は、全損。中古部品を含め、修理用の部品が多く流通しており、修理費用自体は比較的安かったそうですが、それでも、新車価格よりも修理費用が上回ってしまったようです。無事に保険が下りて綺麗に修復されました。

ちなみにイノシシは、何事も無かったかのように森に帰っていきました。てめぇの肉で弁償しろやゴラァ!

 

10万キロ突破そして……。

元々、ミラバンを購入した際、高速道路はあまり走行しない前提でした。

ところが、博士課程に在学している最中から、某所で非常勤講師をやることになったり、学会に車で行く事が増えたりで、それなりの距離を高速道路で移動することが増えてきました。

2019年には、まさかのETC 2.0を後付け。2020年はコロナ禍で乗る機会が大幅に減ったものの、それでもじわじわと走行距離は伸び続け、気付いたら10万キロを突破しました。

10万キロといえば、自動車ではひとつの節目です。最近の車は、10万キロを超えて乗る人も増えてきましたが、残念ながらこのミラバンは、「最近の車」ではありません。

度重なる高速走行で3ATは傷み続け、燃費はついに15km/Lまで落ち、カーラジオはついにぶっ壊れ、いよいよ限界が見えてきました。

そんな中、ひょんなことから、学部生時代からの友人の車で高速道路を走る機会がありました。合流レーンで「言うて4人乗ってるしなぁ」といつも通りアクセルをガンと踏むと、友人のマツダ車は急加速。バックミラーごしに見える友人の慄く顔。……あれ? もしかして私の車って加速悪い……?

3ATのミラバンでは、高速道路の加速レーンをフルに使っても、80km/hギリギリ。100km/hには達しません。エアコンを点けていると、更に絶望的。新東名120km/h区間? ハハッ。

一般道ではそこまで問題無かったですし、ETC 2.0を付けたりタイヤを交換したりしたばかりで、ちょっともったいなかったのですが、13年目になる前に新車にバトンタッチすることにしました。

今までありがとう、ミラバン。

 

ミラバンの不満点

ミラバンは新古車で購入しましたが、新車で置き換えることにしました。というのも、やはり、メーカーのディーラーで購入した方が、アフターサービスなどの面で安心できるからです。逆に言えば、新古車を販売しているディーラーでは、アフターケアやその他色々な部分で不満・不信があったという事でもありますが。

軽自動車であること自体には、別段不満はありませんでした。維持費安いですし、「軽専用」の駐車枠に駐車できますし。あと、狭い道での利便性やら小回りやら考えると、やっぱり普通車より軽の方が色々と便利です。

新車当時、加速性能に不満はあまりありませんでした。経年で大分アレになってしまいましたが、車体が軽い上にサスペンションが固く、割とスポーティーな挙動をしていました。

AT特有の、エンジンブレーキでの減速の良さは、とてもいいです。ただ、慣性走行の距離が下がってしまうという事の裏返しでもあります。更に、所詮は3ATですから、高速道路では酷い騒音が車内に響き渡ります。

後部座席の居住性には閉口しましたが、荷物を沢山積めるのは、とてもよかったです。そもそも軽で4人乗るのは、どんな車種であっても結構キツいんですよね。4人乗る事が多いのであれば、1000cc以上の普通車にしてしまった方がいいと思います。

ただ、いくら後部座席フラットになるといっても、車中泊には全く向きません。運転席を目いっぱい倒して仮眠を取るのが精いっぱい。横にはなれません。

手動の窓は、先に述べたように、エンジン掛かってなくても開閉できるという便利さがあり、これはこれでアリ。ただ、運転席側以外の窓を走行中に開閉するのが難しいので、あまりおすすめできません。

サイドミラーが電動でないのは、想像以上に不便でした。狭い場所を走る時に、サイドミラーがぶつからないかどうかヒヤヒヤでしたし、なにより、角度の調整が難儀でした。少し動かして運転席座ってみて、また少し動かしてを繰り返し……。サイドミラーは絶対、電動の方がいいです。

ABSが絶対必要という場面には、2回ほどしか遭遇しませんでした。しかし、その2回とも、一歩間違えれば他車巻き込んでの大事故でしたので、やはりこの手の安全装備は必須です。「ABSが無い車は、ブレーキを掛けたり緩めたりを繰り返すように!」と自動車学校では習いますが、咄嗟にブレーキを掛けている時にそんな動作は無理です。

カーナビはスマホがあるので必ずしも必要とは思いませんが、バックモニターやアラウンドビューモニターが無いのは、ちょっと不便です。

 

2代目ミハ号は……?

先に挙げた不満点、現在発売されている多くの軽自動車では、きっと余裕でクリアできるでしょう。ただ、ちょっと整理して2代目ミハ号の要件を考えてみます。

  • 電動ミラー装備。
  • 足回りは、少し固めでしっかりした感じ。
  • ミラバンの積載能力は、それなりに便利だったけど、ミラバンよりはマシな後部座席が欲しい。
  • 高速道路走行前提。
  • 先進安全性能欲しい。

大雑把には、こんな感じでしょうか。とくに、高速道路走行を前提に考えるとACCは欲しいなぁって最初から考えていました。

軽自動車でACCを搭載している車は、かなり限られます。しかも、渋滞で自動停止した後に、停止維持してくれることを求めると、電動パーキングが必須。軽自動車で電動パーキング搭載している車なんて、ダイハツでは、タントとタフトだけ。ミラバンと同程度の積載能力を求めるなら、タフト一択。

タフトのライバル車種として、スズキのハスラーがあり、燃費性能ではマイルドハイブリッドのハスラーの方が有利なのですが、ハスラーには電動パーキングがありません。それに、試乗した感じ、やはりダイハツ車で慣れてしまっているので、他社のフィーリングがなんか合いませんでした。

 

www.daihatsu.co.jp

そんなわけで、2代目ミハ号は、ダイハツ タフトに決定。グレードはGターボで、外見はノーマルのままにする代わりに、運転支援などは、駐車支援を除いて全て盛り。当然、ACC搭載で、ETC 2.0も搭載。

燃費だけが心配ですが、まあ、ミラバンが10・15モードで21km/Lぐらい、タフトがJC08で25km/Lぐらいなので、ミラバンで20km/L叩きだすような運転したら、タフトでもそれなりに燃費良くなるやろ(慢心

 

この記事を書いてる時点では、コロナ流行で物流がカオスになっているせいで納車時期不明。一番早くても盆明け、「まあ、9月・10月ぐらいを覚悟しといてください」とのこと。早く届かないかなー。

届いたら、また記事にすると思います。

*1:実際、国道バイパスなんか、首都高ぐらいの速度で車が流れているので、そこを50ccのカブで走るのは割と危険。