しだみ古墳群ミュージアムは、愛知県名古屋市守山区にある、考古学系の資料館です。
www.rekishinosato.city.nagoya.jp
2019年にオープンしたばかりの、真新しい資料館で、正式名称は「体感!しだみ古墳群ミュージアム」*1。略称は「SHIDAMU」。
駐車場は無料ですが、何かイベントがあった際には有料になるほか、満車だと、すぐ近くの東谷山フルーツパークへ誘導されたりするようで。公共交通(ゆとりーとライン上志段味バス停 or 中央西線高蔵寺駅→市バス勝手塚バス停)を利用する方が便利かもしれません。
「名古屋市」といっても、すぐ近くを流れる庄内川を挟んで向こう岸は春日井市で、瀬戸市との市境にも近く、正直あまり名古屋市ってイメージの場所ではありません。
館の建物に入るのは無料ですが、展示エリアは有料(200円)掛かります。
古代、川は鉄道であり、ハイウェイでした。とはいえ、日本の河川は極めて勾配がきつく、古代の喫水が浅い船であっても、遡上には限界があります。その結果、遡上限界点付近は、船から陸路へ、陸路から船へと荷を積み替えるための交通結節点が形成されます。
古墳には、権力の誇示という機能があります。大王の単なる自己満足というだけではないのです。支配者の力の強さを示すことは、民を無用な争いから遠ざけることにも役立つことでしょう。
かくして巨大な古墳が、まるで高速道路沿いの広告看板のごとく、川沿いに乱立することとなるわけです。
2019年オープンだけあって、とても丁寧な解説つきの展示です。
展示ケースがありませんが、どうも展示室全体で温度湿度管理をしているよう。
かわいい。グッズ化希望。
冒頭に書いた通り、川は古代において重要な交通路のひとつでした。
様々なものが運ばれたでしょうが、とくに塩は、人間が生きていく上で欠かせない一方で、海岸付近でしか作ることができません。
製塩土器は文字通り、塩を作るための土器です。海沿いで塩を作るのに使われたのち、その塩を入れたまま内陸部へと運ばれていきました。
常設展がかなり気合の入った作りになっている一方で、企画展は展示ケース1コだけというかなり思い切った作り。
まあ、これはこれでアリ……なのか……?
さて、しだみ古墳ミュージアムの裏手を出ると、大塚・大久手古墳群地区があります。公園として整備されており、遊具こそ何もないですが、子供が走り回るのによい感じ。
私が行った際にも、弁当を広げてピクニックをしている人達も居ました。
複数の古墳があるのですが、その中でも最も大きなものが、この志段味大塚古墳。
長年放置されて元の姿が失われていたそうですが、今ではご覧の通り、綺麗に復元されています。
復元に際して、階段が設置されていて、古墳の上に登れるようにもなっています。
(訪問:2021年11月)
*1:「!」の後に空白が入らないの、なんか違和感あるんですけど、これが正式名称だから仕方がない。