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宮原太聖(Miha)の雑記帳。おおむね週1回更新です。

(投票日は1月24日)第20回岐阜県知事選の選挙公報を読む

 1月24日は岐阜県知事選挙の投票日です。

www.pref.gifu.lg.jp

 

ということで、岐阜県民として、投票に行く前に、選挙公報を読んでいこうと思います。

なお、あくまで選挙公報からわかる情報しか見ていません。各人、公報に載っていない政策はどうかとか、政党がどうだとかは言及しないようにしました。そういうのに興味がある人は、各自調べてください。

そして、言うまでもない事ではありますが、私の主観が大きく混ざっています。投票の際には、事前に、ご自身で、選挙公報を読むようにしてください。

 

 

 

候補者 

新田ゆうじ

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まずは、この方。新田ゆうじさん。薬剤師の資格をお持ちのようですが、元岐阜県職員の方です。

多治見生まれで坂祝育ち。可児高校からの岐阜薬科大学のご出身とのこと。Twitterアカウントもお持ちのご様子。ちなみに、候補者中、最年少です。あとどうも、一番高学歴っぽい(修士号持ち)。

SDGs地方分権に熱意があるようで、意識が高い公約が随所に見られます。


江崎よしひで

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続いて、江崎よしひでさん。ご自身のウェブサイトをお持ちのようです。もはや、選挙活動や政治家活動にインターネットを活用するのは、常識となりつつあるようで。

「かえれば、かわる!」というスローガンは、なかなかいいですね。

 

いながき豊子

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そして、いながき豊子さん。岐阜大学のご出身で、小中学校の教諭をされていたよう。また、色々な団体の幹事とか会長とかも務められたご様子。

現在は、「県民が主人公の県政をつくる会」の代表委員と新日本婦人の会岐阜県本部会長、年金裁判を支える岐阜県の会会長を勤められているそう。

旧来の自民党中心の県政を変える、ということで、これまでの施策を大きく変えていこうとするような公約が目立ちます。

 

古田はじめ

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最後に、古田はじめさん。在任16年の現職です。通常は現職が有利なのですが、今回は保守が分裂をしてしまったので、果たしてそれがどう響くか。
現職らしく、これまでの実績を大きくアピールしています。肝心の公約は箇条書きで具体的に何をするのかいまいちよくわからないものも含まれていますが、それはきっと、これまでの実績をもとに判断してくれという事なのでしょう。

 

論点まとめ

コロナ関係

  感染予防 経済との両立 その他
新田ゆうじ 自粛と補償(協力金)、クラスター公表のルール化
保健所の機能強化
独自の警戒レベル導入・情報発信の強化
外食産業への低減税率導入を働きかけ
 
江崎よしひで 重症化リスクの高い人を徹底支援
感染者の搬送から復帰までのシステムを確立
感染対策の新技術導入・県民の感染予防行動の推進
地域の実情に応じた対策・支援
 行政手続き・企業活動との連携でのデジタル化の推進
いながき豊子 (保健所の削減、地域の病院統廃合を問題視)
予算を福祉や医療、地域の暮らし優先に。
PCR検査と医療の抜本的拡充
(将来不安の高まりによる貧困・格差拡大を問題視)
雇用と事業の維持継続、若者や女性の貧困対策の推進。
 
古田はじめ

岐阜県モデル」の推進
医療福祉体制を崩壊させない

地域を支える医療従事者の確保

中小・小規模事業者を支える
人材マッチングによる雇用維持

(実績をアピール)
コロナ・ハラスメントの徹底防止

新しい働き方の日常化

やはり今回、コロナ関係の公約が多かったです。

手法の差といった感じで、大きな差はそこまで無いようには思いますが、江崎よしひで候補と古田はじめ候補だけ、IT化の推進によるコロナ対策に言及をしていました。

なお、外食産業と同様に打撃を受けていると思われる観光産業ですが、私が見る限り、直接的に言及している候補者は皆無のようで、大変残念です。

 

 防災・環境

  防災  環境
新田ゆうじ

情報収集の効率化

ライフラインの防災対策・早期復旧への取り組み強化

既存の防災設備のメンテナンスを重視

SDGsを見据え)

持続可能な林業・治山

河川へ流れ込むプラスチックの減少

都市部のヒートアイランド対策

江崎よしひで

ハード整備・ソフト対策による災害に強い県土づくり

防災士を県下全域で育成

県民が主体となった防災・減災体制作り

高付加価値の農林畜産業

再生可能エネルギーの拡大によるCO2排出量実質ゼロの実現

いながき豊子

原発ゼロ

自然環境を守りながら対策強化

林業予算を増額

再生可能エネルギーの普及

長良川河口堰ゲートを解放

古田はじめ

災害に負けない生活インフラの整備

河川の氾濫防止対策の拡充

危機管理体制の構築

避難所運営・設営を担う市町村への支援の強化

県民の未来を支える森林づくり 

SDGs達成へ向けた取り組みへの支援

なんとなく、江崎よしひで候補と古田はじめ候補が概ね似たような事を述べていて、新田ゆうじ候補はそこからやや意識高めな感じがします。

強いて言えば、江崎よしひで候補はCO2実質ゼロを謳うなどやや冒険的で、古田はじめ候補はやや保守的かな。

いながき豊子候補は、それ以外の3名と比べてやや独自色が強く、原発ゼロや長良川河口堰の解放を主張しています。 

 

 経済

  農林水産業  工業  観光業 雇用対策 その他
新田ゆうじ

 豚コレラからの畜産業復興

農産品の販売拡大

新たな県産品の開発

持続可能な林業

製造業撤退等の課題に対処

岐阜のモノづくりを継承・発展

隣接7県との観光交流

魅力を発信

 担い手人材と産業の育成

就職氷河期対策

 

 
江崎よしひで 付加価値の高い農林畜産業

地域や国内に軸足を置いた製造業の再構築

製造業を支えるインフラや交通網の整備

   

 

 

いながき豊子 林業予算の増額 中小企業・地場産業予算の増額  

最低賃金の引き上げ

国保加入者の病床手当金創設

ケア労働者の待遇改善

(貧困と格差の拡大を問題視)

大型開発(県庁舎建設・リニア関係事業)を見直し

男女格差を是正

女性の貧困対策の強化

古田はじめ

スマート農業・スマート林業

農業・農村を支える担い手支援

県民の未来を支える森林づくり

   観光産業のV字回復

地の利を生かした企業誘致

岐阜県発でユニコーン企業を創る

 産官学連携による研究開発都市

移住定住の促進

生涯現役社会へ

女性活躍と言わなくて良い社会の確立

 リニア中央新幹線の活用

5Gを社会に実装

新しい働き方の日常化

コレラ就職氷河期対策に言及したのは、新田ゆうじ候補だけでした。

新田ゆうじ候補と江崎よしひで候補は共に、製造業に関する公約を作っていますが、おそらくこれは、坂祝町にある三菱パジェロ製造の撤退を問題視しているのだと思います。

いながき豊子候補と古田はじめ候補は、リニアを巡って、公約が対立しています。いながき豊子候補はリニア関係事業を見直すと言っているのに対し、古田はじめ候補は、リニアを地域活性化起爆剤にしたいようです。

そもそもいながき豊子候補は、新しい岐阜県庁の建設に対しても見直しを主張しているようで、古田はじめ候補といながき豊子候補とで迷う場合には、この辺りが争点になるかもしれません。

 

 子育て・福祉・教育

  子育て ・教育 高齢者福祉  その他
新田ゆうじ

保育施設の整備

第一子へのサポート

中小企業による子育てへの取り組みの支援

子供の居場所づくりを支援

のびのび育つ環境づくり 

医療や介護のサービスの体制構築

公共交通の維持

 障害児等へのサポート
江崎よしひで

教育環境の整備

柔軟で多様な働き方の推進・健康経営を普及

65歳以上の社会参画

 障害者へ活躍の機会が与えられる社会の実現

スポーツを通じた交流・健康的な生活を送れる環境の構築

いながき豊子

少人数学級の実現

18歳まで医療費を無料に

一人親家庭への子育て支援

 (75歳以上の医療費倍増を問題視)

ケア労働者の待遇改善

 多様性・個人の尊厳の尊重

古田はじめ

 「こどもの貧困」からの脱却

オンライン教育の実現

STEAM教育の導入

プログラミング教育の充実

生涯現役社会へ  バリアフリー社会の実現

公共交通について言及したのは、新田ゆうじ候補のみでした。ただ、高齢者福祉の観点からのみというのは、ちょっと寂しいかな。公共交通は高齢者だけのものではないと思うのですが。

江崎よしひで候補と古田はじめ候補の高齢者福祉は、ほぼ同じ事を言っていますね。また、いながき豊子候補は、高齢者の医療負担増を問題視しているようではありましたが、関連する具体的な政策はあまり書かれていませんでした。相対的に、新田ゆうじ候補は詳細な言及をしています。

いながき豊子候補は、やはり教職経験者だけあってか、子育て・教育に関する公約が具体的です。ただ、もしかしたら江崎よしひでさんの「教育環境の整備」もいながき豊子候補と同様に少人数教育を意図しているのかもしれません。いまいちよくわかりませんが。

古田はじめ候補の「オンライン教育の実現」「STEAM教育の導入」「プログラミング教育の充実」は、現在文科省が注力している事柄と一致しています。

 

その他

  行政運営  その他
新田ゆうじ    (東京一極集中から地方分権への移行に意欲)
江崎よしひで

デジタル化

財政健全化

 伝統文化を守り、継承者を増やす。新たな価値と魅力ある文化・芸術を創造し発信する。
いながき豊子 (国の方針をそのまま県政に持ち込むことを問題視)

核兵器廃絶

憲法を守る

古田はじめ    (実績をアピール)

新田ゆうじ候補は、地方分権に意欲を持っているようです。

江崎よしひで候補は、行政のデジタル化などに関心を持っているよう。また、財政健全化も訴えています。

いながき豊子候補は、核兵器廃絶を訴えています。

古田はじめ候補は、これまでの実績を強くアピールしています。

 

おわりに

以上、簡単に選挙公報を見てみたわけですが、県知事は国会議員と比べて直接やれる事が多いためか、公約も盛りだくさんですね。

 公約というのは、選挙にあたっての、有権者と候補者との約束です。ですので、選挙結果はどうであれ、自身が投票した人物が当選したか否かを問わず、新しい岐阜県知事が実際にやる事と公約との間にどの程度齟齬があるのか、そしてそれが結果としてどのような成果(失策)へとつながったのかは、きちんと監視する必要があります。

そういう意味では、この公約は、選挙の時のみ見ればいいというものではなく、むしろ、選挙後にこそしっかり見る必要があるんじゃないかと思っています。

中には、「どうせ投票した所で自分が投票した奴が当選するわけでもないし(自分が投票しなくても当選するし)」と投票に行かない有権者も居るかもしれません。しかし、たとえ自身の一票が結果に繋がらなかったとしても、投票には行くべきです。なぜならそれが、有権者が政治家にできる最も有効な威嚇・牽制だからです。

人間、誰しも、衆人の監視の中で不正を行うなんて事は、なかなかできません。選挙へ行くというのは、「見てるぞ」とアピールする最もよい方法のひとつです。そしてその圧は、結果的に当選した人物へ投票した場合であっても、そうでない場合でも、必ず政治家へ届きます。投票数が1票でも多ければ多いほど、効果が上がります。

 

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さあ、来週1月24日は、投票に行きましょう。「見てるぞ」と、「しっかり仕事しろ」と、「不正するなよ」と、アピールするために。

24日の都合が悪い人や混雑を避けたい人は、期日前投票を活用しましょう。民主主義は、あなたがたった一票を投じるだけで、ひとまず維持されるのです。