箱根関は、東海道の箱根峠に設置された関所です。
よく「入鉄砲出女」なんていいますが、箱根はどちらかというと「出女」つまり江戸に留め置かれた大名妻子が江戸から外へ出ないかを監視する役割を担っていました。
幕末には慶応の改革により規模が縮小され、明治2年に明治政府が関所を全廃したことに伴い廃止されました。
大正11年に史跡指定されましたが、既に関所が無くなって久しく、箱根関がどのような建物で構成されていたのか、その詳細は長らく謎でした。
平成11年以降、発掘調査が開始され、その調査結果と江戸時代の箱根関の修復記録とをふまえ、平成16年から19年にかけ復元が行われました。この復元作業のあゆみは、公式サイトで見ることができます。
復元に際し、単に見た目だけ復元するのではなく、工法に至るまで復元するということをやったようで、なんというか、その徹底ぶりには頭が下がります。
こういった施設には、当時、どのように使われていたかを示すように等身大の人形が置かれていたりします。
ただ、箱根関所の人形は、ご覧の通り、灰色一色です。
実はこれ、わざとなんだそうで。たしかに、服の色とかまではわかりませんもんね。
厩ではどこからか馬飼いの声が聞こえてきます。
細かい小道具の配置まで気が遣われています。
この草履の質感とか、もはや芸術作品。
ぶっちゃけた話、そこまで大きな施設ではありませんし、見所が多いという感じもしないのですが、それゆえのリアルさもあります。修学旅行で寄るのには丁度いいでしょう。
(訪問日:2019年5月12日)