海ミハ車両区

宮原太聖(Miha)の雑記帳。おおむね週1回更新でした。当面(記事がある程度貯まるまで)はおおむね月1回の更新です。

マストドンVer2.6.1アップデート内容

miha.hateblo.jp

 

その節はご迷惑おかけいたしました。所詮、この程度の技術しか無い拙速動物こと宮原でございます。

 

さて、無事(?)に、バージョンアップができたことですし、今回のバージョンアップ内容を確認してまいりましょう。

 

 

blog.joinmastodon.org

例によって、Google翻訳でほぼ綺麗に翻訳されてくれます。こういう英文が書けるようになるといいのですが……。

 

 

 

認証

 Verifying identity in a network with no central authority is not straightforward. But there is a way. It requires a change in mindset, though. Twitter teaches us that people who have a checkmark next to their name are real and important, and those that don’t are not. That delegates a lot of the decision making to Twitter, the authority. Without a central authority, that decision making cannot be delegated. So, how does identity verification work on Mastodon?

この辺りの文章は、マストドンの思想性が物凄く反映されていますね。

SNS上のアカウントで、どのアカウントが「本物」で、どのアカウントが「偽物」かを判断するのは、とても難しいことです。Twitterであれば、Twitter社が本物か偽物かを判断して、本物には「公式マーク」が付きます。Twitter社が、真贋を認定する権威になっているわけですね。

しかし、マストドンではそう話は簡単にいきません。というのも、マストドンには、本物か偽物かを判断してくれるような権威が存在しないからです。

もし、マストドンの製作者であるオイゲンさんが「公式マーク」を与えるようなシステムにしてしまうと、もう、マストドン全体がオイゲンさん無しでは回らなくなります。オイゲンさんを中心にした、中央集権的なSNSになってしまいます。

インスタンスの管理人にその権限を与えたとしても、上手くいかないでしょう。あるインスタンスで「公式マーク」が付いたとしても、他のインスタンスで偽物が大量発生したり、あるいは偽物に対して「公式マーク」が付けられてしまうかもしれません。きっと、大混乱に陥るでしょう。

 

従来、このような問題を解決するためには、自分でドメインを取得して、いわゆる「お一人様」運用をするしかありませんでした。

 

The answer is links. If you have a personal website called johndoe.com, and you link from your site to your Mastodon profile, then people know you are the real John Doe – the link appears verified on your profile.

今回初めて知ったのですが、「John Doe」というのは、日本語でいう「名無しの権兵衛」に相当する単語なんだそう。訴訟とかでも使われるような結構真面目な表現なんだそうで、そうすると、「某」「何某」などと訳した方がいいのかも。

まあ、それは置いといて、今回、「リンク」を上手く活用することで、Twitterでいう「公式マーク」に相当するような仕組みを実装することにしたようです。

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今回、プロフィール設定画面に、「認証」というものが追加されました。

認証のやり方は簡単。まず、プロフィール補足情報に、自分のサイトのURLを書きます。そして、そのサイトに自身のユーザーページへのリンクを貼ります。HTML知ってる人向けに細かく解説すると、rel="me"となっていて、かつ、herf="[所属しているインスタンスのURL]/[自身のID(@xxxx)]"が自身のマストドンプロフィールのURLになっていれば、テキストとかはどうなっていても問題無いようです。既に、自分のサイトやブログに自身のマストドンIDのリンクを貼ってるなら、ral="me"を追加するだけで大丈夫です。

 

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たとえば、このブログのURLを「プロフィール補足情報」に書き、このブログから、私のユーザーページへリンクを貼ると、こういう風に表示されます。「blog」の所のURLが緑色になりチェックマークが付いているのがわかると思います。

プロフィールページにブログのURLを書けるのはユーザー本人だけですし、持っているサイトやブログから自分のユーザーページへのリンクを貼れるのも、本人だけです。ですから、相互にリンクしていてマークが付いていることから、両者は同一人物だという証明になります。

……まあ、ブログやサイトまで偽物を用意されたら意味無いですけどね。

 

ダイレクトメール

The direct messages functionality of Mastodon has been remastered. You can now browse your direct messages grouped by conversations with specific people and conversations you haven’t opened will be highlighted, just like you would expect from other services. This should make keeping up with important messages easier.

DMってあまり使わないのでよくわからないのですが、まだ開けてないDMの色が変わるようになったようです。

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上の方は未開封。下が開封済みの表示です。

 

インストリームリンクプレビュー

This has been requested for a long time – link previews and interactive players from sites like YouTube and Vimeo will now appear in-stream, and not only in detailed view. Interactive players have a play button which loads the actual content

URLを貼った投稿をした際、リンクのプレビューが表示されるようになりました。YouTubeニコニコ動画のURLを貼った場合、わざわざリンクをクリックせずとも、TL上から再生できます。

 

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こんな感じですね。ニコ動も同様に見れます。

 

– no third-party scripts are loaded until you press it, so there is no privacy cost to the convenience.

この辺りを気にするのも、いかにもマストドンらしいですよね。

クリックさえしなければ、情報がYouTubeやニコ動などに流れることはありません。

 

その他

github.com

Previously there were no limits of how many accounts you could follow, save for the API's generous request rate limits. A couple times this resulted in spam accounts following hundreds of thousands of users before they were caught. Besides being annoying to the people being followed by a spam account, following such a large number of accounts increases the load on the server. Now, you can follow up to 7,500 accounts, after which the limit is increased according to your own followers count.

むやみやたらにフォローしまくるスパムがあったので、フォローの上限が7,500アカウントになったようです。この人数は、フォロワーの数によって緩和されていくそう。

 

Non-Mastodon software in the fediverse may allow much higher character limits, which results in a lot of scrolling in Mastodon's interface. Now, overly long toots are cut off. This should never occur with Mastodon's 500 character limits, unless the toot is abusing line breaks to be super tall on purpose.

マストドンのデフォルトでの最大文字数は500字ですが、マストドンと同様にActivityPubを使っている他のSNSでは必ずしも500字ではありませんし、同じマストドンであっても、KNZK.meのように、物凄い長文を投稿できるインスタンスもあります。

そこで、Ver2.6では、500字以上の投稿は自動で「畳んだ」状態になり、「続きを読む」をクリックすると全文表示されるという仕様になりました。

……これ、もし自由に畳む文字数を変えれるなら、150字辺りに設定したい所。

 

また、管理画面のUIやメンテナンスのためのコマンドに改良がくわえられたようです。管理がしやすくなると、インスタンスを作りやすくなり、インスタンスが増えればマストドンの「非中央集権」に貢献できるというわけです。

 

他にも色々と細かい改良も行われました。日本時間で10月31日6時頃に2.6.0が公開されましたが、何か問題があったようで、9時頃に2.6.1が公開されました。2.5.xから2.6.1へは直接バージョンアップが可能なので、2.6.0は選択するメリットの無い幻のバージョンになってしまいました。

とはいえ、オープンソースでこのような高頻度のバージョンアップが行われるというのは、それだけ、開発のコミュニティーが活発に動いていることの証で、日本での、市井の評価がどうであるにせよ、国際的に注目され続けているプロジェクトのひとつであることは、疑う余地がないでしょう。

なんか、もう、新しい機能の追加は頭打ちなんじゃないかという話もありますが、管理UIやその他管理関係の色々、サーバー負荷軽減のための機能やインスタンス間の連携に関する機能など、まだまだ「あればいいのに」って機能は多いと思います。今後は、そういった部分の改良が行われていくのではないでしょうか。